2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470476
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Research Institution | KUMAMOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宇野 公之 熊本大学, 薬学部, 教授 (00183020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 吉伸 熊本大学, 薬学部, 助手 (00305004)
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Keywords | ポルフィリン / DNA / インターカレーション / 光切断 / ヘム / シトクロムb / アクリジン |
Research Abstract |
本研究では、新規な水溶性ポルフィリンを設計・合成し、様々な塩基配列を持つDNAに対する切断活性の測定を通して、塩基配列特異的な遺伝子切断試薬を開発することを目的とした。まず、核酸塩基に対する特異性を向上させるため、GC塩基対に親和性の高いアクリジンを持つポルフィリンを合成した。この化合物は良好な水溶性を示し、可視吸収スペクトルの変化から、DNAに高い親和性を持つことが分かった。アクリジンとポルフィリンをつなぐリンカーの長さを変えた各種誘導体を合成し、DNAに対する結合特性を調べた。その結果、これらの化合物はアクリジン部分でDNA塩基対間に挿入結合(インターカレーション)し、ポルフィリン部分は溶媒側に位置することが分かった。また、リンカーの炭素鎖が6のとき、最大のDNA光切断活性を示した。 ポルフィリン錯体は活性酸素の生成を触媒するため、酸化的DNA切断試薬としての利用が考えられる。そこで、タンパク質を利用したDNA塩基配列の特異的認識を目的として、シトクロムb562の部位特異的変異体を作成した。このタンパク質は4本ヘリックスからなり、1分子の鉄ポルフィリン錯体を含む。6配位型構造をとるため、まず活性酸素生成の場となる触媒ポケットの構築を行った。軸配位子のひとつであるMet 7を側鎖体積の小さいGlyに置換したところ、錯体が脱離することが分かった。そこで、さらに4位と8位のGlu残基をSerに置換することにより、脱離を抑えることに成功した。次に、高い酸化活性の発現を期待して、他方の軸配位子であるHis102をCysに置換した変異体を作成した。この変異体も安定に錯体を保持し、かつ酸素の活性化を触媒する還元型においてもCysを軸配位子として持つことが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tadayuki Uno: "Engineering a Ligand Binding Heme Pocket into a Four Helix Bundle Protein Cytochrome b562"J.Am.Chem.Soc.. 123. 512-513 (2001)
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[Publications] Yoshinobu Ishikawa: "Efficient photocleavage of DNA by cationic porphyrin-acridine hybrids with the effective length of diamino alkyl linkage"Chem.Pharm.Bull.. 49(印刷中). (2001)
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[Publications] Tadayuki Uno: "Cysteine Thiolate Coordination in the Ferrous CO Complex of an Engineered Cytochrome b562"J.Am.Chem.Soc.. 123(印刷中). (2001)