1999 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内シグナル伝達経路を複合的に制御するための化合物の創製
Project/Area Number |
11470496
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大塚 雅巳 熊本大学, 薬学部, 教授 (40126008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 哲郎 熊本大学, 薬学部, 助手 (60182474)
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Keywords | 人工配位子 / エイズウイルス / NFkB / HIV-EP1 / Sp1 |
Research Abstract |
エイズウイルスはヒト免疫細胞に感染すると、逆転写などのプロセスを経て宿主であるヒトのDNAのなかに組み込まれてプロウィルスとなる。エイズプロウイルス遺伝子のプロモーター領域には2つの連続したκB配列、3つの連続したGCボックス、1つのTATAボックスからなる特徴的な転写制御配列が存在し、それらに結合するNFκB、HIV-EP1、Sp1などの転写因子がエイズウイルスの転写を制御している。これらの転写因子のうちHIV-EP1とSp1は亜鉛フィンガー蛋白質である。 研究代表者らはHIV-EP1とSp1の亜鉛フィンガー部分を標的とし、蛋白質の亜鉛部分に相互作用することを目的としてジメチルアミノピリジンと2つのキレート性側鎖とからなる対称的構造をもった人工配位子を種々合成した。ジメチルアミノピリジンとヒスチジンからなる化合物は300μM程度の濃度でHIV-EP1、Sp1から亜鉛を引き抜き、これらに対して阻害効果を示した。またシステアミン側鎖をもつ化合物は30μM濃度でHIV-EP1、Sp1の亜鉛部分に結合し、強い阻害効果を示した。またNFκBを阻害する化合物も得られた。それぞれの化合物がそれぞれの蛋白質に対して異なった阻害プロフィールを示すことが明らかになった。従って、これらの化合物を適切い組み合わせて用いることにより、エイズウイルスの転写複製を制御している3種の転写因子NFκB、HIV-EP1、Sp1の機能をを複合的に阻害することが可能となった。
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[Publications] Teruhiko Inoue: "Fluoresoence property of oxazole yellow-linked oligonucleotide. Triple helix formation and photocleqvage of double-stranded DNA"Bioorg. Med. Chem.. 7. 1207-1211 (1999)
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[Publications] Kazuo Umezawa: "Screening for inducers of apoptosis-resistant human carcinoma cells"Adv. Enz. Regul.. 39. 145-156 (1999)