2000 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性肝疾患における肝細胞アポトーシスと発癌の解明と遺伝子導入による治療の研究
Project/Area Number |
11470508
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
遠藤 文夫 熊本大学, 医学部, 教授 (00176801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 哲郎 熊本大学, 医学部, 教授 (60112405)
犬童 康弘 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (40244131)
足立 尚登 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (00264292)
加藤 秀樹 浜松医科大学, 助教授 (30142053)
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Keywords | チロシン / マウスモデル / アポトーシス / 癌 / 尿細管 |
Research Abstract |
遺伝性肝疾患における肝細胞アポトーシスと発癌の機序の解明の研究を行った。本研究で用いている遺伝性肝疾患モデルはフマリルアセト酢酸ヒドラーゼを欠損するマウスであるが、このマウスの肝臓ではフマリルアセト酢酸が細胞内に蓄積し、その結果細胞がアポトーシスに陥ることが判明している。そこで今年度の研究では肝細胞以外の細胞においてアポトーシスが生じるかどうかを検討することで普遍的なシグナルによるアポトーシスか否かを検討した。その結果、腎尿細管上皮細胞細胞においてもアポトーシスが生じることが判明した。このとき、カスパーゼ3阻害することでアポトーシスは回避できた。しかし、細胞機能をin vivoで検討したところ、アポトーシスを回避にもかかわらず細胞膜における転送能などは傷害されていた。このことからフマリルアセト酢酸によるアポトーシスは普遍的に生じること、また細胞期脳障害も普遍的に生じることが判明した。発癌著の関連ではフマリルアセト酢酸の細胞分裂に対する影響を観察した。線維芽細胞用いてフマリルアセト酢酸の影響を調べたところ細胞はG2/Mで細胞周期を停止することが判明した。このとき細胞ではゴルジ装置の構造が破綻していることが観察された。このことから細胞分裂の阻害はフマリルアセト酢酸によって特異的に生じていることが推定された。
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[Publications] Sperandeo M.P.: "Structure of the SLC7A7 Gene and Mutational Analysis of Patients Affected by Lysinuric Protein Intolerance."Am J.Hum.Genet.. 66. 92-99 (2000)
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[Publications] Tomoeda K.: "Mutations in the 4-Hydroxyphenylpyruvic Acid Dioxygenase Gene Are Responsible for Tyrosinemia Type III and Hawkinsinuria."Molecular Genetics and Metabolism. 71. 506-510 (2000)