1999 Fiscal Year Annual Research Report
グリア細胞アポトーシスのシグナルカスケードとその制御
Project/Area Number |
11470512
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松田 敏夫 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00107103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 均 大阪大学, 薬学研究科, 講師 (30240849)
馬場 明道 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (70107100)
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Keywords | アストロサイト / ミクログリア / アポトーシス / 過酸化水素 / NF-KB / カルシニューリン / β-アミロイド蛋白 / MAPキナーゼ |
Research Abstract |
アストロサイト、ミクログリア、神経細胞の細胞死発現の細胞特異的分子メカニズムを解明する目的で、これらの細胞死のシグナルカスケードについて、薬理学的、分子生物学的に検討し以下の成績を得た。 (1)Ca^<2+>パラドックスによるアストロサイトのアポトーシスシグナルカスケードの解析:本研究では、アストロサイトのCa^<2+>パラドックス障害がアポトーシスを伴うことを明らかにし、そのメカニズムについて薬理学的検討を行った。本細胞死は持続的な細胞内Ca^<2+>の増加によって引き起こされるが、その後のカスケードとして過酸化水素の産生、NF-kBの活性化が重要な役割を演じていた。また、本細胞死のシグナルカスケードには、カルパイン、カルシニューリン、カスパーゼ系、カテプシン系、MAPK系が関与していた。これらの細胞内分子の阻害薬は本細胞障害を抑制し、これらの分子が障害保護の薬物標的分子になりうることを示した。(2)β-アミロイド蛋白によるミクログリアのアポトーシスシグナルカスケードの解析:β-アミロイド蛋白により培養ミクログリアがアポトーシスを引き起こすことを、ヘキスト染色及びDNAラダー形成により明らかにした。この障害過程にはNO産生が関与しており、NOS阻害薬は障害保護作用を示した。また、NO障害時にMAPKシグナルの変動が見られ、本シグナル系により障害制御が可能性を示唆した。さらに、本障害にはカテプシン系が関与していた。(3)シグナルカスケードの可視化:本プロジェクトについては、基礎的検討の段階である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 松田敏夫: "グリア細胞の障害と保護"日薬理誌. 114. 281-286 (1999)
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[Publications] Kazuhiro Takuma: "Apoptosis in Ca^<2+> reperfusion injury of cultured astrocytes : roles of reactive oxygen species and NF-KB activation"European Journal of Neuroscience. 11. 4201-4212 (1999)