1999 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病における非侵襲的方法を用いた血管内皮機能の評価
Project/Area Number |
11470518
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大島 哲也 広島大学, 医学部, 助教授 (40233100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小園 亮次 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (00304436)
神辺 眞之 広島大学, 医学部, 教授 (70034139)
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Keywords | 血管内皮 / 一酸化窒素 / 本態性高血圧 / 閉経 / 肥満 / 加齢 / 高脂血症 / 血小板 |
Research Abstract |
1.多くの心、血管疾患で血管内皮機能の異常が明らかにされてきたが、臨床検査における適切な評価法は確立していない。今回、前腕血管を用いた内皮依存性血管拡張反応の評価法を確立し、動脈硬化の危険因子である生活習慣病において健常人と比較検討した。 2.血管拡張反応はプレシスモグラフィーにより測定した前腕血流量の変化にて評価した。内皮依存性血管拡張はアセチルコリン動注時、もしくは虚血(280mmHgで5分間遮断)後の反応性充血時の血流変化を測定した。内皮非依存性血管拡張は硝酸イソソルビド動注時、もしくはニトログリセリン舌下投与時の血流変化を測定した。 3.本態性高血圧症患者と性、年齢をマッチさせた健常人との比較では前腕血流量の基礎値に差はなかった。観血的、非観血的のいずれの方法でも内皮依存性血管拡張反応は高血圧で有意に減弱していたが、内皮非依存性血管拡張反応は同程度であった。NO合成阻害剤の前投与により両群間の差が消失したことより、NO合成低下がその主因であると考えられた。 4.肥満を伴う高血圧患者では、伴わない患者に比し前述の内皮依存性血管拡張反応がより減弱していた。また、閉経後女性でも同様の内皮機能の低下が認められた。多変量解析により、加齢も内皮機能低下に関連する危険因子であることが示された。 5.高血圧、高脂血症、肥満者、閉経後女性ではトロンビン刺激時の凝集、IIb/IIIa出現やP-セクレチン放出能、および血小板活性化を示唆する因子の血中濃度は健常人と比し有意な差を認めなかった。eNOSアンジアテンシン変化酵素などの遺伝子多型も健常人と同様であった。 6.以上より本態性高血圧、閉経後女性、加齢、肥満により前腕血管の内皮依存性血管拡張反応が低下していることが示された。
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[Publications] Yukihito Higashi: "Daily aerobic exercise improves reactive hyperemia in patients with essential hypertension"Hypertension. 32,2. 591-597 (1999)
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[Publications] Yukihito Higashi: "Effect of L-arginine infusion on systemic and renal hemodynamics in hypertensivc patients"American Journal of Hypertension. 12,1. 8-15 (1999)
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[Publications] Yukihito Higashi: "Regular aerobic exercise augments endothelum-dependent vascular relaxation in normotensive"Circulation. 100. 1194-1202 (1999)
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[Publications] Yukihito Higashi: "A Comparison of angiotensin-converting enzyme inlnbitors, calcium antagonist, beta blockers and diuretic agents"Journal of American College of Cardiology. 35,2. 284-291 (2000)
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[Publications] Ryoji Ozono: "Expression and localization of angiotensin subtype receptor paticns in the hypertensive rat heart"American Journal of Physiology. in press. (2000)
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[Publications] Toshiyuki Matsumoto: "Type 2 angiotensin II receptor is downregulated in cardiomyocytes of paticnts with heart failure"Cardiovascular Research. in press. (2000)