2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470525
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Research Institution | KAWASAKI UNIVERSITY OF MEDICAL WELFARE |
Principal Investigator |
深井 喜代子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (70104809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼光 洋子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助手 (40309612)
国安 勝司 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (10299258)
井上 桂子 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (30279004)
田中 美穂 川崎医療短期大学, 第一看護科, 講師 (10259591)
新見 明子 川崎医療短期大学, 第一看護科, 助教授 (50171153)
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Keywords | 慢性痛 / 癌性疼痛 / 痛みの修飾因子 / 疼痛評価尺度 / リドカインの鎮痛効果 / ストレス物質 |
Research Abstract |
本研究の目的は(1)慢性痛患者の生体にはどのような影響が出現するかの検討,(2)慢性痛を増強する因子にはどのようなものがあるかの検討,(3)広範な痛みの評価に汎用でき,痛みの診断を助ける標準化された疼痛尺度の作成を試みることである。具体的には,慢性痛が生体に及ぼす影響の追求(研究(1)),慢性痛増強因子の探求(研究(2)),疼痛評価尺度の開発(研究(3))の三つの研究を遂行する。 12年度では,研究(1)においては慢性痛のある患者の血漿中のストレス物質の定量を痛覚閾値の測定とMPQによる疼痛評価を実施した。また,事例研究において(後述)慢性痛患者の動作時の循環動態を検討した。現在までの分析結果では,慢性痛患者では痛覚閾値,耐痛閾値ともに健康者より高く,血中のストレス物質濃度が高値である可能性が高いことが示された。研究(2)においては長期に追跡できた数例のPain Diaryを回収し分析を試みている。現在までのところ,腰痛とADL(日常生活活動)における運動量との間の強い関連性と,腰痛,頭痛と気候と間の弱い関連性が示唆されている。また,研究(3)においては,慢性痛及び急性痛のある対象から収集したMcGill Pain Questionnaire(MPQ),痛みの行動評価尺度(BRTP)それに心理テスト(STAI,YG)の評価と,面接で得られた多角的情報を総合し,痛みそのものとその修飾要因を含む多様な要素を抽出,分析中である。 (1)(2)の成果の一部はInoueら(2000)の原著論文として,また(3)の成果の一部は深井ら(2000)の原著論文として発表した。更に今年度は,癌性疼痛患者及び特殊な領域における慢性痛患者の痛みとその緩和ケアに関する事例研究5と,痛みのある患者への臨床応用を意図してリドカインの実験的疼痛に及ぼす影響を明らかにした実験研究1を遂行し,研究代表者の著書(深井喜代子編著「看護者発-痛みへの挑戦」へるす出版刊,2001年発行予定)の中に学術論文(原著1,事例研究5)として発表予定である。また,リドカインの効果に関する研究は日本看護科学学会第4回国際学術集会(2001年8月於津市)で発表予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Keiko INOUE: "Influence of painful passive exercise on blood pressure"Kawasaki J medeical Welfare. 6巻1号. 1-5 (2000)
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[Publications] 深井喜代子: "対象-看護者関係評価尺度(CNRS)の開発"川崎医療福祉学会誌. 10巻2号. 285-291 (2000)