2000 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮とタンパク質分解系との連係-カルシウムシグナル伝達系とカテプシン群の関与-
Project/Area Number |
11480009
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
今泉 和彦 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (60145068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立屋敷 かおる 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (20119324)
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Keywords | 骨格筋 / 筋萎縮 / タンパク質分解系 / カテプシン群 / 遊離アミノ酸 / セリンプロテアーゼ / 懸垂(suspension) / ラット |
Research Abstract |
本年度の前半は,遊離アミノ酸の測定精度およびデータの再現性をしらべた。併せて,カラムの安定性をしらべた。また,筋内のリソゾームの調製法を再検討し,この標品の可溶化について検討した。その結果,1)三種類の遊離アミノ酸(アンセリン:ANS,カルノシン:CAR,3-メチルヒスチジン)の各保持時間と濃度は変動係数にして0.1%以下で測定できること,2)1本のカラムで約100〜120回測定できること,3)リソゾーム膜の可溶化にはtriton X-100を用いることが妥当であること,4)このリソゾーム内のセリンプロテアーゼに属するcathepsin BとJ(C)の活性が安定なこと,等が明確となった。次に,ラットに合成グルココルチコイドとハイドロコルチゾンを10日間投与した後,ヒラメ筋とヒフク筋の遊離アミノ酸濃度を測定した。その結果,二種類のグルココルチコイドを投与したラットの筋内CAR濃度は対照より有意に低かったが,筋内ANS濃度は有意な変化がみられず,筋内の遊離アミノ酸ごとに異なった応答性がみられた。引き続き,ラットを懸垂させて筋に力学的負荷を無くし,さらに運動を制限することによって萎縮させたときのヒラメ筋およびヒフク筋における遊離アミノ酸濃度およびcathepsin BとJ(C)の活性を測定した。その結果,懸垂によってラットの筋を萎縮させると,筋内CAR濃度は対照より有意に低かったが,ANS濃度は萎縮筋で有意に高かった。また,cathepsin BとJ(C)活性は,懸垂によって有意に上昇した。これらの結果より,筋内CAR濃度は,懸垂またはグルココルチコイド投与で萎縮させても明らかに低下する。しかし,ANS濃度は懸垂で上昇,グルココルチコイドで変化なしと,筋萎縮を惹起させる方法によって応答性に差が認められる。また,懸垂に伴って萎縮した筋内ではリソゾーム由来のタンパク分解系の促進作用があるものと推定される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 立屋敷かおる,槇尾保年,大須賀理佳,河野珠枝,今泉和彦: "下垂体除去ラットの骨格筋容積とglutamine syntietase活性に及ぼすdexamethasoneの影響"体力科学. 49・6. 786 (2000)
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[Publications] 槇尾保年,立屋敷かおる,大須賀理佳,今泉和彦: "去勢およびテストステロンによるラットの骨格筋と内臓の重量の変動"体力科学. 49・6. 787 (2000)
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[Publications] 今泉和彦,立屋敷かおる,白石晃,福田唯次,五十嵐和彦: "β_2-agonistおよびdexamethasoneによるラット骨格筋と内臓の重量の変動の比較"体力科学. 49・6. 787 (2000)
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[Publications] Imaizumi K and Tachiyashiki K: "β_2-agoninst, clenbuterol-induced changes of skeletal muscle mass and visceral organ size in rats."Japanese Journal of Physiology. 50・Suppl.(印刷中). (2000)
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[Publications] Imaizumi K and Tachiyashiki K: "Effect of β_2-agonist, 4-amino-(t- butylamino) methyl-3,5-dichlorobenzyl alcohol on skeletal muscle mass in rats."Japanese Journal of Physiology. 51・Suppl.(印刷中). (2001)