1999 Fiscal Year Annual Research Report
心臓自律神経活動を基準にした運動療法の確立と予防医学的効果の検証
Project/Area Number |
11480011
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森谷 敏夫 京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 助教授 (90175638)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
枡田 出 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10229370)
中尾 一和 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00172263)
|
Keywords | 運動処方 / 心臓自律神経 / 心拍変動スペクトル / 肥満 |
Research Abstract |
この研究では、現代社会において深刻な問題となている肥満の予防・治療に貢献する運動処方の確立を目指すものである。本研究の特徴は安全で有効な有酸素運動を心臓自律神経活動動態から評価し、最適な運動処方の開発を目指すとともに、習慣的な運動実践がもたらす自律神経活動動態、肥満遺伝子レプチン、β3アドレナリン受容体、血圧・循環調節ホルモンおよび内因性オピオイド(βエンドルフィン)に対する影響を総合的に解明しようとすることである。平成11度は、研究の遂行に不可欠な漸増運動負荷試験中での瞬時心拍、血圧(収縮期、拡張期血圧)、心拍変動及びBeat-by-beat心拍出量(それによる毎拍ごとの末梢血管抵抗の測定)の時系列解析用ソフトの開発を行った。また、心拍変動パワースペクトル解析による、心臓自律神経活動動態の定量化と当該研究室が開発した、瞬時心拍変動のトーン・エントロピ-解析との比較検討を行い、より簡便でフィールドでも利用できる心電図のコンピュータ処理・解析システムの開発・較正もおこなった。被験者数名を対象に今回開発した測定を実施した結果、心拍変動のスペクトル解析や新たに導入した心拍変動パワー解析により、漸増運動負荷試験時における心臓交感・副交感神経活動の両神経の定量化が可能であり、心拍変動スペクトル総エネルギーや心臓副交感神経活動のレベルを反映する高周波成分の指数関数的な減衰から簡便に心臓自律神経活動を基準にした「安全運動閾値(SET)」が決定できる可能性が示唆された。
|