2000 Fiscal Year Annual Research Report
高所身体適正予測のための生理学的指標の開発・応用に関する研究
Project/Area Number |
11480012
|
Research Institution | 九州芸術工科大学 |
Principal Investigator |
菊地 和夫 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (90195199)
|
Keywords | 高所身体適性 / 動脈血酸素飽和度 / 急性低圧低酸素 / 高所順応トレーニング / 筋組織酸素飽和度 / 低圧シミュレーター |
Research Abstract |
本研究課題の『高所身体適性予測のための生理学的指標の開発・応用に関する研究』では、高所登山やトレッキングを行う登山家や一般人のために高所での身体適性を事前に予測するための適切な生理学的指標を見いだし、その応用を図ることを目的としている。そこで、本年度は、低圧低酸素環境下への急性暴露時における酸素飽和度動態を血液系および骨格筋組織系から詳細に検討することを目的とした。すなわち、血液系の酸素飽和度動態はパルスオキシメーター法による動脈血酸素飽和度変化から、また、骨格筋組織酸素飽和度動態は近赤外分光法による筋組織酸素飽和度の変化から詳細に検討を行った。まず、一般健常男子学生14人を対象とし、常圧下、2500mおよび5000m相当高度下における急性低圧低酸素環境下において、安静時から最大運動時までの動脈血酸素飽和度および骨格筋組織酸素飽和度動態について連続的に測定を行を行った。さらに、ムスターグ・アタ峰(中国:7540m)の登頂を目指す登山家6人に対し、本学の低圧シミュレーターを用いて高所順応トレーニングを行った。また、同トレーニングの前、後および帰国後の計3回、最大酸素摂取量の測定および採血を行い、血液生化学的側面からの検討も行った。これらの結果、急性低圧低酸素環境下における動脈血酸素飽和度動態は、筋組織酸素飽和度の低下よりも、主に、動脈血酸素飽和度の低下度に依存していることが認めらた。また、高所を目指す登山家の急性低圧低酸素環境下における身体作業能力と実際の高所における身体パフォーマンスとの間に何らかの関連性のあることが示唆された。
|
-
[Publications] Kazuo Kikuchi: "The Effects of High-altitude Training : Myth or Fact?"Proceedings of GSSI Sports Scinec Network Forum in Nagano 2000. 1-21 (2000)
-
[Publications] 宮村実晴: "高所-運動生理学的基礎と応用"(有)ナップ. 252 (2000)