1999 Fiscal Year Annual Research Report
体育科教育における課題解決学習と課題解決能力の形成-教材・共同的な学習システム・課題解決行為のダイナミックな関係性-
Project/Area Number |
11480013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Himeji Dokkyo University |
Principal Investigator |
森 敏生 姫路獨協大学, 一般教育部, 助教授 (30200372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中瀬古 哲 広島女子大学, 生活科学部, 助教授 (00198110)
丸山 真司 愛知県立大学, 児童教育学科, 助教授 (10157414)
海野 勇三 山口大学, 教育学部, 助教授 (30151955)
中西 匠 武庫川女子大学, 短期大学部体育学科, 講師 (10259608)
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Keywords | 課題解決学習 / 共同的な学習システム / 課題解決行為 / 構造 / 機能 / 意味 / 教師の指導性 / 教科内容 |
Research Abstract |
今年度は「課題解決行為」と「共同的な学習システム」の二つを考察対象として両者の関係、その相互創出的なダイナミックスに迫ることが課題であった。その場合、教師の指導や教科内容がこのダイナミックスにどう関与するのかも含めて探求しようと考えた。 かかる研究課題に対して、日本体育科教育学会第4回大会では上述の相互創出的関係の仮説モデルを構成し提起した。そこで「構造」・「機能」・「意味」という「共同的な学習システム」の三側面と、それを反映(内面化)した「習慣的行為」・「合理的行為」・「自省的行為」という三つの性格をもつ課題解決行為による相互創出的なダイナミックスを示し、水泳の実践事例を手がかりとしたイメージモデルを提起した。そして共同的な学習システムにおける教師の指導的役割の問題、そして課題解決の対象・内容をどう捉えるのかという問題が投げかけられた。 これについてはその後の研究討議において検討された。前者については、教師・子どもの相互主体関係における指導性は、基礎的な教科内容の想定・見通しづくりとそのもとでの具体的な学習対象の共同決定という二つのレベルで捉えた。後者については、課題解決の対象・内容は合目的的な課題解決のための技術学的内容、スポーツ組織問題における規範やルールの合意形成、これら二つの社会文化的意味づけや問い直しによるつくりかえという三つの領域で捉えた。 今年度は主に概念システム、仮説モデルの検討が中心となり、事例研究や授業観察・研究に踏み込むに至らなかった。そのため現在、授業観察の対象の絞り込みと対象間の関係を記述するための指標づくりを検討している。
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