2001 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病の予防と治療になぜ軽強度の有酸素性運動が有効なのか-特に血管内皮と骨格筋の機能に注目して-
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11480014
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田中 宏暁 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (00078544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒岩 中 福岡大学, 医学部, 助教授 (30122691)
進藤 宗洋 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (30078539)
清永 明 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (70177955)
庄野 菜穂子 佐賀医科大学, 講師 (60223674)
池田 正春 産業医科大学, 教授 (40078770)
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Keywords | 乳酸闘値(LT) / 毛細血管 / Nox / SAGE法 / 高血圧 |
Research Abstract |
本年度はさらに成年男子および高血庄患者に対する乳酸閾値(LT)または50%Vo2max強度トレーニングの効果を明確にするため例数を増やし次の知見を得た。 1.成年男子のトレーニング研究 ●青年男子被検者にLT強度でトレーニングを6週または12週行いVO2maxとVo2LTの有意な増加を確認した。特にVo2LTの増加は顕著であった。 ●軽強度運動でも毛細血管は有意に増加することしかも早期に適応が起こることが明らかになった。このことが血清脂質プロフィールを改善する原因の一つと考えられた。 ●またNOxは果トレーニング6週目で上昇する傾向を示しその後低下する傾向を示した。さらに遺伝子発現を調べるためにSAGE法を試みたがcontrolを成功したのみでトレーニング経過を調べることは出来なかった。 2.高血圧患者のトレーニング研究 ●中高齢高血圧患者にLT強度でトレーニングを行い、LTの上昇と降圧効果を確認した。トレーニング期間中の前腕のリアクティブハイパーレーミアを調べた結果初期に上昇する傾向を示したものの、有意な変化は認められなかった。 ●肥満・高血圧の地域住民を対象に実施した12週間の生活習慣改善指導(軽強度の有酸素運運動+栄養指導)の実践結果(対象195名)について解析した。指導の結果、初期の血圧の高いものほど指導後の血圧の低下は著明であり、また肥満度の強いものほど減量の程度も大であった。多変量解析の結果、肥満者では収縮期血圧の低下は初期血圧および最大酸素摂取量の増加と有意の相関を認めた。この結果は軽強度有酸素運動の有効性を支持するものである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 庄野菜穂子, 田中宏暁ほか: "体脂肪蓄積の説明要因としての骨格筋毛細血管の関与"肥満研究. 7(3). 61-65 (2001)
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[Publications] N.Shono, H.Tanaka, et al.: "Effects of Low Intensity Aerobic Training on Skeletal Muscle Capillary and lood Lipoprotein Profile"Journal of Atherosclerosis and Thrombosis. 9. 78-85 (2002)