2000 Fiscal Year Annual Research Report
地図を用いた空間的情報のコミュニケーションと空間移動に関する研究
Project/Area Number |
11480018
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
若林 芳樹 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70191723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 利和 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (20200826)
寺本 潔 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (40167523)
岡本 耕平 名古屋大学, 文学部, 助教授 (90201988)
村越 真 静岡大学, 教育学部, 助教授 (30210032)
竹内 謙彰 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (40216867)
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Keywords | 地図 / GIS / 方向感覚 / 空間認知 / コミュニケーション / ナヴィゲーション |
Research Abstract |
今年度は、(1)地図の定義と利用実態、(2)地図の認知過程、(3)地図を用いた空間移動の成立条件、(4)地図の利用と方向感覚との関係、に関する調査と実験を行った。(1)については、地図の内包と外延とを改めて検討した上で、アンケート調査を実施して各種の地図がどの程度認知され利用されているかを把握した。(2)については、昨年度購入したアイマーク・レコーダを使って、地形図を読図して移動する際の視線の動きを測定したところ、読図の熟達者と素人との間で記号探索の方法がやや異なるものの、移動においては両者の間で差はみられなかった。(3)については、道案内図を用いた所在地の同定とナビゲーションの成立条件に関する実験を行った。地図の記号要素と個人の空間的能力とを要因として設定した結果、道案内図で所在地を同定する作業には広域の手がかりと局地的手がかりの両方が必要で、地図の利用とナビゲーションには空間的能力の個人差も関係していることが明らかになった。(4)については、方向感覚質問紙を改良して空間的課題の達成度との関連性を調べたところ、空間スケールによって方向感覚の影響の仕方や空間認知の傾向が異なること、方向感覚によって空間的課題解決方略が異なることなどが明らかになった。いずれも引き続きデータ解析ととりまとめを行っており、研究成果を学会誌等に発表する準備を進めている。
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[Publications] 若林芳樹: "地理情報の内なる貯蔵庫としての認知地図"歴史と地理. 162. 23-27 (2000)
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[Publications] 若林芳樹: "内なるGISとしての認知地図/外なる認知地図としてのGIS"理論地理学ノート. 12(印刷中). (2001)
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[Publications] 若林芳樹: "地図を用いたwayfindingの成立条件"人文地理学会研究発表要旨. 2000年度. 142-143 (2000)
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[Publications] 日本建築学会建築計画委員会編(若林,岡本,村越が分担執筆): "wayfinding研究の展開とその計画学的意味を探る"日本建築学会. 87 (2000)