2002 Fiscal Year Annual Research Report
外国語学習における独習型読書支援システムの開発と利用に関する基礎的研究
Project/Area Number |
11480039
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
鈴木 庸子 国際基督教大学, 教養学部, 講師 (00216459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 百合 九州大学, 留学生センター, 教授 (90274539)
カッケンブッシュ 寛子 名古屋外国語大学, 大学院・国際コミュニケーション研究科, 教授 (10204439)
オコーネル ジェラルド 国際基督教大学, 教養学部, 講師 (70245661)
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Keywords | 教育メディア / 教材開発 / 読解学習支援システム / 語学教育 / 日本語教育 / 読解教育 / 自律学習 / ARCSモデル |
Research Abstract |
1.学習実験(平成13年度から14年度):学習実験では学習者の学習動機を高めるための環境として、教師との接触をはかるための「学習レポート」提出、共同学習による動機付けをねらった「読後座談会」参加を義務付けた。上記テストによる事前事後テストの結果、読解力は学習効果を検出できなかったが、単語力、ディクテーションテスト結果について学習効果を検証した(単語F(1.7)=11.12,p<.05、ディクテーションF(1,13)=11.86,p<.01))。学習履歴およびインタビュー結果の分析から、「学習レポート」「座談会」を組み込まない場合に比べ、学習時間が増加したこと、課題図書の内容に対して関心が深まっていることが明らかになった。「学習レポート」「座談会」の果たした役割を、ARCS動機付けモデルの観点から考察し、「学習レポート」を通した教師とのコミュニケーションが自信や満足につながったのではないか、また読書内容の理解と「自分の意見を述べる」という行動が結びつけられたことが関心を高めたのではないかと考察した。 2.研究成果の発表:読解過程分析(再生文の分析による主題の明示性と理解の関係の研究)、「新書ライブラリー」を授業で用いた研究授業(立命館大学で実施)の成果について、上記の学習実験の成果とともに研究発表を行った。 3.座談会プロジェクトの実施:上記の学習実験の成果をふまえ、キャンパスにおける「自律的な読解学習」を実現させる方策の一つとして、「座談会プロジェクト」を発足した。英語教育を受講する日本人学生と上級以上の留学生によるグループで、読書と意見交換を行うものである。平成14年度に3回行い、現在実現可能なスケジュールや学内ランによる情報交換を検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 鈴木庸子: "コンピュータを利用した自律学習支援のしくみを求めて「食糧問題を考える」から「新書ライブラリー」まで"教育とメディア(論文集). 276-284 (2002)
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[Publications] 鈴木庸子: "読書支援システム「新書ライブラリー」の開発を通して見えたもの-今後の課題と展望-"日本語教育方法研究会誌. Vol.10,1. 8-9 (2003)
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[Publications] 鈴木庸子: "マルチメディア教材の学習効果に関する研究-読解過程における朗読音声の提示について-"国際基督教大学日本語教育研究センター紀要. 12(印刷中). (2003)