2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11480050
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research(NIER) |
Principal Investigator |
渡邉 寛治 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター・基礎研究部, 総括研究官 (60096675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬沼 花子 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター・基礎研究部, 総括研究官 (30165732)
工藤 文三 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター・基礎研究部, 総括研究官 (30231096)
有元 秀文 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター・基礎研究部, 総括研究官 (40241228)
谷田部 玲生 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター・基礎研究部, 総括研究官 (30311137)
鳩貝 太郎 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター・基礎研究部, 総括研究官 (10280512)
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Keywords | 高等学校 / 入試問題 / 高校入試 |
Research Abstract |
昨年度中に、平成11年度の公立高等学校入試問題(国語・社会・数学・理科・外国語の5教科)の中から、単に知識・理解を問うだけではなく、関心・意欲・態度、思考・判断、技能・表現などをも問う問題など工夫されたいわゆる「良問」と、単に細かな知識を問うだけであると考えられるなどいわゆる「改善すべき問題」をピックアップした。 本年度は昨年度の研究を継続して、学習指導要領の趣旨を生かしたいわゆる「良問]について検討を加え、今後の高等学校入試問題の改善の方向を探った。その検討の結果をとりまとめ、高等学校入試問題改善の在り方についての報告書「高等学校の入試問題改善のための分析研究」を作成した。教科ごとの概要は、以下の通りである。 国語では、表やグラフを読みとりながら自分の意見を述べさせることにより情報処理能力を問う問題などの良問が見られる一方、表現の問題で採点基準が明確に捉えられないものなど改善が望まれる問題も見られた。社会では、関心・意欲・態度、思考・判断、技能・表現などを積極的に問おうとする良問が数多く見られる一方、知識・理解を問う問題が中心となっている傾向が指摘された。数学では、良問には文脈、数学的考え、態度の育成の要素が含まれることが考察されたが、授業で扱う場合には良問と考えられる問題が出題されている例も見られた。理科では、良問は、自然の事物・現象の仕組みや概念についての基礎・基本的な内容を問う問題、日常生活と関連させた問題、今日的な話題・課題を取り入れた問題、実験データ等を処理したり考察するような問題、横断的・複合的な問題、構成上の工夫・配慮がみられる問題であることが分かった。外国語では、英語によるコミュニケーション能力、とりわけ「聞く力」と「話す力」を見る問題が工夫されている一方で、依然として読解力を試す問題が主流となっている点などが指摘された。
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