Research Abstract |
本研究は,膨大なデータベースの有効活用を図るために,日本語教育の研究者,教師,学習者が必要に応じて適切なデータを瞬時にかつ簡易に取り出すことができるように,データベースを分析し,日本語教育支援のための教材構成要素を明らかにしモデル化することである。本研究は4年間の実施計画で進行し,今年度が初年度である。 本年度は,まず教材構成要素のモデル化のために,既有の日本語教育用データベースに収録されている基本辞書(漢字辞書,筆順辞書,単語辞書,用例辞書,和英辞書,学術辞書)及び音声・画像データを含む豊富な日本語教育用教材を分析し,コンピュータ利用可能な教材構成要素をモデル化した。このモデルは,日本語教育の教授内容(漢字,語彙,文法,会話,異文化理解等)教授方法(文法訳読法,直接法,対話法,構成要素法等),学習者特性(文化圏,学習目標,学習時間,既有知識量,得意技能,理解特性等),そして教材データの種類(文字,画像,音声,動画)を考慮して構築した。 次に教材構成要素を処理するツールを開発した。このツールは,教授内容,教授方法,学習者特性,教材データに応じて,教材構成要素を処理する機能を持たせた。具体的には,教材データの入出力処理・検索処理,教材データ相互のリンク処理,関連教材のパッケージ処理,教材データの再加工処理等を,簡易な操作で瞬時に実行するツールを開発した。 さらに,将来のインターネット上での実験を想定し,開発したツールをクライアント・サーバ方式で利用できるかどうかを検討した。
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