2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11480110
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
東辻 浩夫 岡山大学, 工学部, 教授 (40011671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東辻 千枝子 岡山大学, 工学部, 助手 (20253007)
鶴田 健二 岡山大学, 工学部, 助教授 (00304329)
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Keywords | 水素プラズマ / 密度汎関数 / 大規模分子動力学シミュレーション / 高速多重極展開 / 量子プラズマ / 圧力電離 |
Research Abstract |
さまざまな条件の下のプラズマの振る舞いを理論的な予測には限界がある。原因の一つは非線形性・複雑性であるが,より微視的な原因は,高温・高密度における圧力電離などの物性の知見の不足である。後者はプラズマ物理に残された大きな課題であるとともに,最近,発展の著しい超高強度・超短パルスレーザーの加工・粒子源・光子源への応用において鍵となる情報である。本研究は不均一や界面を扱うことのできる規模の計算機シミュレーションを量子的に行う方法を展開して,この課題の解明を行うことを目的としている。 1.水素プラズマ(陽子・電子混合系)において電子系を密度汎関数で表し,Car-Parinello法により陽子の運動を追いながら電子も緩和させる密度汎関数分子動力学法に基づき静的・動的物性を解析した。陽子の2体分布関数,拡散係数,速度自己相関関数,密度揺動スペクトルなどを求め,第1原理による結果と大部分は良く一致することを示した。 2.1の方法で,大規模化が可能であることを,本研究費で購入した要素から構成したPCクラスターを用いて実証した。1000から10000粒子の系に対しては十分実用的なCPU時間でシミュレーションが可能であることが示された。 3.大規模化のためには,量子論とは別の困難である,クーロン相互作用の長距離性の処理が必須である。このため,高速多重極展開法を具体的にコード化し,量子系を模擬する古典荷電粒子系として湯川系を対象として,その有効性を確認した。 4.開発したコードを応用して,湯川系,古典一成分系などの大規模シミュレーションを行った。これらは実在の系であり,コードの最適化に役立つだけでなく,量子系の一つの極限として量子系に対する解析の境界条件を与える。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Totsuji: "Large scale quantum simulation of strongly coupled plasmas on a PC cluster"J.Phys.IV (France). 10,Pr5. 267-270 (2000)
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[Publications] C.Totsuji: "Structure and dynamics of Yukawa dusty plasmas and dusty plasma mixtures"J.Phys.IV (France). 10,Pr5. 425-428 (2000)
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[Publications] H.Totsuji: "Strongly coupled nonneutral plasmas : Equilibrium and relaxation in two-component plasmas in Penning-Malmberg trap"J.Phys.IV (France). 10,Pr5. 271-274 (2000)
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[Publications] H.Totsuji: "Structure and melting of two-dimensional dust crystals"Phys.Plasmas. (in press). (2001)
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[Publications] T.Kishimoto: "On the Madelung energy of spherical Coulomb clusters"Phys.Lett.A. (in press). (2001)