2001 Fiscal Year Annual Research Report
電子バーンシュタイン波を用いたダイバータプラズマの電子温度計測
Project/Area Number |
11480116
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Research Institution | Natiomal Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
長山 好夫 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (10126138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 伸 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (80170025)
稲垣 滋 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (60300729)
森下 一男(川端 一男) 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (60109353)
徳沢 季彦 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (90311208)
田中 謙治 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (50260047)
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Keywords | 電子バーンシュタイン波 / EBW / LHD / プラズマ / ダイバータ / 電子温度計測 / ペレット入射 / Oモード |
Research Abstract |
電子バーンシュタイン波(EBW)は低密度、低温度でも黒体であることから近年加熱、計測に注目されている。本研究はこの特性をダイバータプラズマの電子温度計測に生かせないかを調べるために始まった。EBWは静電波であるため電磁波に変換しなければプラズマの外にでることは出来ない。接線方向アンテナでは、電子サイクロトロン共鳴層で発生したEBWが高域混成共鳴層においてXモードに変換され、さらにそれがカットオフ層においてOモードに変換されてプラズマ外に出、アンテナに到達する。本研究では、LHDの磁場配位においてこれらのモード変換層の位置を理論的に求めた。次にLHDプラズマからのEBW受信を目指して、真空容器内に接線方向アンテナを取り付けた。本年度は既存のECE計測設備と遠隔操作で接続する装置を取り付けた。その結果、ショット間にEBWアンテナとECEアンテナを切り替えて実験できるようになり、特別にマシンタイムを取得しなくても頻繁にデータを取得できるようになった。LHDプラズマ実験は液体ヘリウム冷却超伝導磁石を使用していることもあり、例年9月に始まり、正月をはさんで2月に終了する。本年度は、電子密度が徐々に上昇するプラズマや周辺部だけのペレット入射、中心部までのペレット入射など多彩なプラズマについてデータを取得することが出来た。その結果、高密度プラズマにおいて電子密度勾配が周辺部で急峻な場合は、基本波において、ほとんどECE信号強度がない場合でも、EBWアンテナにはかなり強い信号が受信された。この信号の周波数スペクトルは密度分布の形によって変化する。これは屈折・反射によるECEの回り込みでは説明できず、EBWと思われる。現在、京都大学でLHD配位でのEBWレイトレーシングコードが、また筑波大学で接線方向の3次元電磁波シミュレーションコードが開発されつつある。近々それらのコードの使用が出来るので、より一層理解が深まるものと思われる。
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[Publications] Y.Nagayama, et al.: "Overview of ECE diagnostics on LHD"Fusion Engineering and Design. 53巻. 201-211 (2001)
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[Publications] H.Sasao, et al.: "ECE diagnostics in the high density plasma in LHD"Fusion Engineering and Design. 53巻. 153-160 (2001)
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[Publications] K.Kawahata, et al.: "The 14-channel grating polychromator for ECE measurements in LHD"Review of Scientific Instruments. 72巻・1号. 387-390 (2001)
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[Publications] P.C.de Vries, et al.: "The polarization of electron cyclotron emission spectra in the Large Helical Device"Physics of Plasmas. 7巻・9号. 3707-3713 (2000)