2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11480120
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡 芳明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40011225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向原 民 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90292763)
越塚 誠一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80186668)
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Keywords | 粒子法 / MPS / シビアアクシデント / 溶融炉心 / 液滴 / ブレークアップ / デブリベッド / 表面張力 |
Research Abstract |
原子炉の苛酷事故時には、溶融炉心と冷却水の複雑な相互作用が生じる。特に、沸騰や凝固などの相変化を伴うので、これまで機構論的なシミュレーションは殆どおこなわれてこなかった。粒子法は本研究者らが独自に開発した新しい数値シミュレーション手法で、計算格子が必要ないため、相変化や界面の大変形を容易に扱うことができる。そこで、粒子法を用いて原子炉苛酷事故時の溶融炉心挙動の機構論的なシミュレーションをおこない、現象の解明に貢献することを本研究の目的とする。 昨年度は、溶融炉心が格納容器の床状に落下した場合の、溶融炉心-コンクリート相互作用の解析をおこない、クラスト形成の過程を明らかにした。今年度は、溶融炉心がデブリベッドとして最終的に冷却できるかどうかを評価するため、冷却水中での溶融炉心液滴の分裂過程を解析した。 まず、気相中に液滴が落下する場合の液滴の分裂を解析し、分裂様式と分裂時間のウエーバー数依存性が実験とほぼ一致する結果が得られた。溶融炉心液滴は高温のため、水中では膜沸騰が維持される。そこで、蒸気膜におおわれた状態での溶融炉心液滴の分裂の解析をおこなった。この場合、ウエーバー数50程度まで液滴は分裂しないことが分かった。これは従来の知見と比較して、かなり大きな液滴が維持されることを示すものであり、本研究で初めて得られた成果である。本結果に基づいて溶融炉心のデブリベッドの粒子径を見積もったところ、平均径が5mm程度であった。デブリベッドの限界熱流束は粒子径が大きいほど高くなり、平均径5mmではIMW/m^2である。これは、格納容器床上で溶融炉心を十分冷却可能であることを意味している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Koshizuka and Y.Oka: "Application of Moving Particle Semi-implicit Method to Nuclear Reactor Safety"Comput.Fluid Dynamics J.. 9. (2001)
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[Publications] S.Koshizuka and Y.Oka: "Particle Method for complex Thermal-hydraulic Phenomena in Severe Accidents"Proc. 2nd Japan-Korea Symp. on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety. 117-124 (2000)
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[Publications] S.Koshizuka and Y.Oka: "Moving Particle Semi-implicit Method : Fully Lagrangian Analysis of Incompressible Flows"Proc.European Congress on Computational Methods in Applied Sciences and Engineering. (2000)
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[Publications] S.Koshizuka and Y.Oka: "Moving Particle Semi-implicit Method for Analyzing Large Deformation of Free Surfaces"Proc.ASME Fluids Engineering Division Summer Meeting. (2000)
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[Publications] S.Koshizuka,M.Sekine,Y.Oka and H.Obata: "Numerical Analysis of Molten Core-Concrete Interaction Using MPS Method"Proc.Workshop on Severe Accident Research in Japan. 294-299 (2000)
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[Publications] 野村克也,越塚誠一,岡芳明: "粒子法による液滴の分裂挙動の数値解析"第13回計算力学講演会講演論文集. 7-8 (2000)