2000 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導体接合放射線検出器の分割型吸収体を用いた有感面積増大化の研究
Project/Area Number |
11480123
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
神野 郁夫 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50234167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金澤 哲 京都大学, 工学研究科, 助手 (60089125)
秦 和夫 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70109023)
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Keywords | 超伝導体 / 放射線検出器 / 極低温 / エネルギー分解能 / 有感面積 / 分割吸収体 / 電子温度 / トンネル接合 |
Research Abstract |
高いエネルギー分解能を持つ超伝導体放射線検出器の欠点の一つに,小さな有感面積が挙げられる.超伝導体放射線検出器を実用に供す際には有感面積が大きい方が良い.このため,分割型吸収体を持つ常伝導体-絶縁体-超伝導体接合検出器(NIS型検出器)を製作することを目的として研究を行った.まず,常伝導体金属,絶縁体,および超伝導体として用いるAg,Al(酸化して酸化アルミニウムとする),およびNbをターゲットとする直流マグネトロンスパッタ装置を製作し,それぞれのスパッタ条件を最適化した.次に,Al薄膜の表面を酸化する条件を出した.最後に,シャドーマスクを用いて,NIS型検出器を構成するそれぞれの薄膜を製作し,X-Yステージを用いて,NIS型検出器を製作した.このNIS型検出器の電流-電圧特性を測定した.測定では,NIS型検出器の温度を変化させ,約8Kから0.3Kまで行った.NIS型検出器に特有の電流-電圧特性を確認し,検出器として動作するものと判断できた.この間,分割型吸収体NIS型検出器に付いて,特許を申請した. さらに,分割型吸収体を持つNIS型検出器の応用として,厚さが異なる吸収体を持つNIS型検出器を複数用いて高エネルギーX線,γ線の検出法を考案した.現在の超伝導体放射線検出器は,主に6keVのX線を測定対象としているが,物性研究や産業界への応用では数10keVのX線の測定に対する需要が多い.この手法を用いて,PIXEなどの分析を行う事により,より精確で効率の良い測定ができることが分かった.
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[Publications] 神野郁夫: "超伝導体、単体半導体、化合物半導体を用いた低温放射線検出器の研究"放射線. 26. 87-94 (2000)
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[Publications] F.Yoshihara: "Study on the Enlargement of Sensitive Area of NIS-type Tunnel Junction Detector"KEK 2000-14. 117-122 (2000)