1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11480134
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
渡辺 興亜 国立極地研究所, 研究系, 教授 (60111861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本山 秀明 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (20210099)
神山 孝吉 国立極地研究所, 研究系, 教授 (70135507)
藤井 理行 国立極地研究所, 北極圏環境研究センター, 教授 (20125214)
五十嵐 誠 国立極地研究所, COE研究員
東 久美子 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (80202620)
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Keywords | 積雪 / 慣例変態 / 温暖変態 / 層位構造 / 同位体 / 化学組成 / 融解 / 氷化 |
Research Abstract |
(1)実験試料の採取と各種層構造の作成:室内実験において用いる積雪試料を野外で自然状態のまま採取するのは困難なため、均質同位体組成・化学成分層を実験用単位層として、また同様に同一雪質・層構造層を同単位層として野外で採取し、実験室内で各種の組合わせ、さまざまな層位構造および各種成分を持つ積雪層を作成した.試料採取時には試料採取地点でその場所(in situ)での寒冷・温暖変態過程の観察を行なった. (室内実験に関する予備実験計画) 野外採取の実験試料を用いて:1.降雪-堆積直後の自然雪初源試料、2.堆積初期に寒冷変態を受けた変態雪試料、3.完全に人為的組み合わせによる層位構造試料の3種の試料を作成し、以下の実験を開始した. (2)温暖変態系実験: 実験試料としては上記の1、2、3の試料を用いて、積雪表面融解-浸透-氷化・流失(湿潤-水蒸気輸送型、上載せ再凍結型、ウオーター・テーブル型)の全過程の再現実験を継続中である.変態過程が一定段階に達した後、それぞれの過程における諸物質の量的変化、組成変化、同位体分別作用の変化の解析を行なう. (3)寒冷変態系実験: 実験試料としては上記の1、3の2種の試料を用いて、極域堆積環境で生じる範囲の積雪層内温度勾配を上下差温式恒温層(備品として購入)内で実験的に作り出し、試料に含まれる諸物質の濃度、組成、雪試料の物理的性質変化を調べる.とくに、初源的層構造、雪質による分布変化に対する規制の機構を明らかにするため、実験試料3による人工的な層構造・物理的性質を持つ各種積雪試料を用いて、系統的実験のための予備実験を行なった. (4)野外観測地点の航空機による観測 寒冷変態の継続期間が長く、かつ温暖変態過程の進行状態が高度によって異なる観測地域の候補地として、ヨーロッパ・アルプスを選び、積雪観測地域の雪氷学的状態を航空機によって調査した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Koerner, R. M.: "A 100 year record of ion chemistry from Agassiz Ice Cap, Northern Ellesmere Island NWT, Canada"Atmospheric Environment. 33. 347-357 (1999)
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[Publications] 藤井理行: "極域氷河、氷床コア年代決定-流動・圧密モデルと年代示準火山シグナルによる方法-"地球. 26. 163-173 (1999)
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[Publications] Kawamura, K.: "Implication of azelatic acid in a Greenland ice core for oceanic and atmospheric changes in high latitudes"Geophysical Research Letters. 26. 871-874 (1999)
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[Publications] Ikegawa, M.: "Geographical variation of major and trace elements in East Antarctica"Atmospheric Environment. 33. 1457-1467 (1999)
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[Publications] Matsunaga, S.: "Seasonal changes of low molecular weight dicarboxylic acids in snow samples from Dome-Fuji, Antarctica"Proc. NIPR Symp. Polar Meteorol. Glaciol.. 13. 53-63 (1999)
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[Publications] Watanabe, O: "Non-sea-salt sulfate and nitrate variations in the S25 core, near the coastal region, East Antarctica"Proc. NIPR Symp. Polar Meteorol. Glaciol.. 13. 64-74 (1999)