2000 Fiscal Year Annual Research Report
テッポウエビの発音計数による浅海域環境評価法に関する研究
Project/Area Number |
11480142
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
関根 雅彦 山口大学, 工学部, 助教授 (30163108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古澤 昌彦 東京水産大学, 海洋生産学科, 教授 (60281002)
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Keywords | テッポウエビ / ハイドロフォン / 海域環境評価 / 発音生物 / 遠隔計測 |
Research Abstract |
1 東京湾におけるパルス数調査 千葉港から富津にかけて、貧酸素水塊の発生していない6月にパルス数調査を行った。その結果、昨年夏季にはパルス数が観測されなかった地点でもパルスが観測され、貧酸素水塊の影響が予想された。しかし湾奥部ではパルスの観測されない地点もあり、貧酸素以外の水質要因もあると思われた。 2 各地におけるパルス数調査 携帯用計測機器を用い、伊勢湾、三河湾、大阪湾、仙台湾、諌早湾、台湾海峡などでパルス数の測定を行った。その結果、いずれの地点でもパルスは確認されたが、一般に都市部に近い地点ではパルス数が少なく、水質との関連が強く示唆された。 3 実験室におけるテッポウエビパルスの音源音圧分布の測定 実験室内で蓄養したテッポウエビを用いて、パルス音源音圧分布を測定した。 4 テッポウエビ生息数とパルス数の関係の定量化 秋穂湾において干潮時に干潟面に4本のハイドロフォンを一辺10mの正方形頂点に設置し、満潮時に同時にパルス計測を行うことにより、干潟面上でのテッポウエビの発音位置を特定した。また同時に、正方形の中央において通常のパルス数計測を行った。調査後の干潮時には、干潟面の巣穴の位置の計測およびテッポウエビ個体数の確認を行った。以上の結果より、干潟面に生息するテッポウエビの発音頻度、音源音圧分布を特定した。現場では実験室で得られた音源音圧より低い値が得られた。この結果を用いて、パルス数測定結果をテッポウエビ生息密度へ換算するグラフを作成した。 5 パルス数測定方法の標準化 東京水産大学の超音波水槽を用いてハイドロフォン、DAT、AD変換器の周波数特性を測定した。また秋穂湾で得たテッポウエビのパルス100個の結果を用いてテッポウエビパルスの周波数特性を測定した。これらを用いて、周波数特性を考慮した機器のキャリブレーション手順を策定した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 上田陽彦,渡部守義,関根雅彦,浮田正夫,濱田悦之: "テッポウエビを用いた沿岸環境評価手法に関する研究"JSCE第55回年次学術講演会講演概要集. (CD-ROM). (2000)
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[Publications] 渡部守義,関根雅彦,上田陽彦,濱田悦之: "水環境指標としてのテッポウエビ類の発音数と生息密度の関係"第35回日本水環境学会年会. (2001)
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[Publications] 関根雅彦,渡部守義,古澤昌彦,濱田悦之: "海域環境評価のためのテッポウエビ発音数観測による生息密度推定"平成13年度日本水産学会春季大会. (2001)