2001 Fiscal Year Annual Research Report
テッポウエビの発音計数による浅海域環境評価法に関する研究
Project/Area Number |
11480142
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
関根 雅彦 山口大学, 工学部, 助教授 (30163108)
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Keywords | テッポウエビ / ハイドロフォン / 海域環境評価 / 発音生物 / 遠隔計測 |
Research Abstract |
1.広い砂泥域でのパルス数分布調査 吉敷郡の秋穂湾および、厚狭郡の埴生漁港周辺海域において、広い砂泥域におけるパルス数の分布を調査した。この結果、干出時間の長い水際近傍ではパルス数の変動がみられるが、干潮時に干潟にならない部分では両調査地点でほぼ同様のパルス数を得た。これより、砂泥域において得られたデータは地点間の比較が可能のように思われた。しかしこの点に関しては、調査地点数が不足しており、今後の情報の蓄積が必要である。 2.汽水域でのパルス数分布調査 宇部市真締川において、河口から上流に向かってパルス数の観測を行った。河口から1.3km上流部付近までほぼ一定のパルスが観測され、それより上流ではパルスが急激に減少していた。これより、河口域においても一定の区間では本手法が利用可能であると思われた。 2.有明海におけるパルス数調査 有明海の広い範囲で岸壁からのパルス数調査を実施した。この結果、有明海奥部の水域類型IIIの地点ではパルス数が低下していることを見出した。 4.研究総括 3年間の研究を、(1)パルス数の測定方法とその標準化、(2)環境指標としての有意性の検討、(3)パルス数によるテッポウエビ類の生息密度推定、(4)日本沿岸海域のパルス数分布と水質汚濁、の4つの視点から整理した。各地の調査より、水域類型がIからIVとなるにつれパルス数が減少していることが示され、テッポウエビを用いて浅海域の環境を簡易にモニタリングできることが示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Watanabe, M.Sekine, E.Hamada, M.Ukita, T.Imai: "MONITORING OF SHALLOW SEA ENVIRONMENT BY USING SNAPPING SHRIMPS"Proc.ASIAN WATERQUAL2001. 133-138 (2001)
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[Publications] 上田陽彦, 渡部守義, 関根雅彦, 浮田正夫, 古澤昌彦: "テッポウエビ類の発音数を用いた浅海域環境指標に関する研究"土木学会第56回年次学術講演会講演概要集. VI-203. 406-407 (2001)
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[Publications] M.Watanabe, M.Sekine, E.Hamada, M.Ukita, T.Imai: "MONITORING OF SHALLOW SEA ENVIRONMENT BY USING SNAPPING SHRIMPS"EMECS2001. 152 (2001)