2001 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素を原料としたメタノール生産バイオプロセスの開発
Project/Area Number |
11480146
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
畑中 研一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70167584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 聡 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (50227899)
大倉 一郎 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (90089821)
粕谷 マリアカルメリタ 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30334361)
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Keywords | メタン / メタン資化細菌 / 太陽エネルギー / メタノール |
Research Abstract |
本研究の目的は新規なバイオプロセスを構築し、二酸化炭素とメタンを共にメタノールに変換し、大気中の二酸化炭素とメタンの軽減を達成しようとするものである。二酸化炭素の固定には還元剤として水素を用い、メタンに還元する。還元剤としての水素は、太陽エネルギーを利用したバイオプロセスによる水の分解で獲得する。 昨年までの研究では、還元剤としての水素獲得のためにグラナ-NAD-ヒドロゲナーゼ系を構築しこれに光照射することにより、水素発生系の構築を行った。また、メタン細菌による二酸化炭素からのメタンの生産を行った。本年度はメタンからメタノールへの変換のための修飾メタン資化細菌の調製を行った。 メタン資化細菌中では、酵素メタンモノオキシゲナーゼ(MMO)によりメタンが酸化され、メタノールが生成する。生成したメタノールは同じ菌体内に存在するメタノールデヒドロゲナーゼ(MDH)によりさらに酸化され、最終的には二酸化炭素にまで酸化される。本研究ではシクロプロパノールがMDHの選択的阻害剤になることを見出し、シクロプロパノールを添加することにより、メタノールの蓄積が行えることがわかった。最適条件を検討した結果、10時間安定したメタノールの生産が見られ、メタンからメタノールへの転化率は70%に達した。また酵素当たりのターンオーバー数は10万を越えることがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Hatanaka, J.Oishi, A.Tsuda, S.Matsunaga, M.Kunou, et al.: "Specific Adhesion of 3T3-L1 Fibroblast onto Uridine-Containing Polystyrene"Macromol. Biosci.. 1・9. 397-400 (2001)
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[Publications] 畑中研一, 栗原史恵, 久能めぐみ, 奥田章博, 粕谷マリア, 明石満: "バイオインスパイアード糖質高分子による線維芽細胞増殖因子(FGF)の活性化"日本化学会誌. 2002・2. 155-158 (2002)
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[Publications] K.Katsuraya, Y.Imoto, K.Okuyama, K.Hashimoto, H.Takei, R.Aono, K.Hatanaka: "Synthesis of Oligosaccharide with Controlled Sequence"Carbohydr. Lett.. 4・2. 131-136 (2001)
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[Publications] 畑中研一, 粕谷マリアカルメリタ, 大倉一郎: "二酸化炭素固定化は必要か?"生産研究. 54・1,2. 95-98 (2002)
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[Publications] M.Sakamoto, T.Kamachi, I.Okura, A.Ueno, H.Mihara: "Photoinduced hydrogen evolution with peptide dendrimer-multi-zn(II)-porpyrin, viologen, and hydrogenase"Biopolymers. 59・2. 103-109 (2001)
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[Publications] 畑中研一, 秋吉一成, 佐藤智典, 西村紳一郎, 他33名: "季刊化学総説No.48 糖鎖分子の設計と生理機能"学会出版センター. 225 (2001)