1999 Fiscal Year Annual Research Report
農薬汚染土壌の担子菌によるバイオレメディエーションと管理システムの確立
Project/Area Number |
11480148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
沢田 達郎 金沢大学, 工学部, 教授 (80019728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 嘉利 金沢大学, 工学部, 助教授 (20172455)
渡辺 隆司 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (80201200)
桑原 正章 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (40035978)
小林 史尚 金沢大学, 工学部, 助手 (60293370)
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Keywords | 担子菌 / 芳香属化合物 / 農薬汚染土壌 / バイオレメディエーション / ヒラタケ |
Research Abstract |
本研究は、担子菌の持つ多様な芳香族化合物の分解能を利用し、農薬で汚染された土壌を修復するためのバイオレメディエーションの技術を構築することと工学的応用として土壌中の農薬を迅速かつ高効率で分解するための処理システムを開発することを目的とする。本年度に得られた知見を以下に示す。 1.ヒラタケによる塩素化フェノールの分解 (1)液体培養においてヒラタケ接種時に4-クロロレゾシノール(4-CR)を添加したところ、濃度が1mM以下でのみ生育が認められ、4-CRの分解が確認された。また、培養12日目に4-CRを添加すると5mMの濃度でも分解が確認された。 (2)液体培養における4-CR分解の経時的変化を調べたところ、塩素イオンの発生量と4-CRの減少量およびMnP生産量に関連性が認められた。 (3)ヒラタケから分泌されるMnPを精製し酵素反応による4-CRの分解を試みたところ、脱離した塩素イオン濃度と4-CRの減少濃度はほぼ同じであることがわかった。 に比べてo-位、p-位にあるクロロフェノールに対し分解能が高かった。 2.ヒラタケによる環境汚染物質の分解 (1)液体培地においてヒラタケ接種時に0.01%濃度になるようにビスフェノールAを添加したところ、培養3週間でビスフェノールAは80%以上の分解が確認された。 (2)ヒラタケの精製MnPを用いた酵素反応によるビスフェノールAの分解を試みたところ、基質の減少が確認された。 (3)酵素反応溶液を回収し分離したところ分解生成物が含まれていることがわかり、GC-MS分解によりその生成物を調べたところ、フェノール,4-イソプロペニルフェノール,4-イソプロピルフェノール,ヘキセステロールが検出された。
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[Publications] Y.Nakamura,M.G.Sungusia,T.Sawada,M.Kuhawara: "Lignin-Degrading Enzyme Production by Bjerkandera adusta Immobilized on Polyurethane Foam"Journal of Bioscience and Bioengineering. 88・1. 35-41 (1999)
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[Publications] Y.Nakamura,T.Sawada,K.Yamaguchi: "Breeding and Cultivation of Glucoamylase-Producing Yeast with Inactivation of MAT Locus"Journal of Chemical Engineering of Japan. 32・4. 424-430 (1999)
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[Publications] 中村嘉利,沢田達郎,小森正樹: "固定化菌による重金属イオン存在下のフェノールの微生物分解"環境化学. 9・3. 581-587 (1999)
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[Publications] Y.Nakamura,T.Sawada: "Biodegradation of Phenol in the Presence of Heavy Metals"Journal of Chemical Technology and Biotechnology. 75・2. 137-142 (2000)