2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11480150
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野島 哲 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (30112288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 敬介 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (50243887)
渡慶次 むつ範 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (30291983)
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Keywords | 造礁サンゴ / サンゴ礁 / 群集構造 / 個体群動態 / 加入・定着 / 分散 / 多様性 / 共生生物 |
Research Abstract |
1)昨年に引き続き、平成12年6月、沖縄県瀬底島周辺のサンゴ礁上12カ所の調査地点に各地点18枚から36枚の定着板を設置し、サンゴの定着量の測定を行った。9月に定着板を回収し、各調査地点の定着板上に付着した稚サンゴの密度を測定したところ、各地点の稚サンゴ密度は100cm^2あたり5個以下で、平成10年夏のサンゴの白化・大量死亡以降、造礁サンゴの新規加入は依然としてきわめて少ないことがわかった。また、サンゴの大量定着を促すために行われた実験においても、定着量は少なく、幼生の供給量自体が非常に少ないことが推察された。 2)昨年の加入に由来する一年生の稚サンゴの密度も例年に比べて低く、昨年度定着実験結果が示唆したように、サンゴの自然回復の兆しは殆ど見られていないことが、裏付けられた。 3)直径5cm以上のクシハダミドリイシの個体群はみられず、瀬底島周辺では壊滅的状況下にある。 4)天草の高緯度地方においても、造礁サンゴ群集には良好な成長を続けているものの、サンゴの新規加入は極めて低かった。 5)平成12年5月18、19、20日に石西礁湖において、8月4日、30日に天草でミドリイシ属サンゴの一斉産卵を確認した。これにより、次年度以降のサンゴの室内定着実験、分散実験の可能性が示唆された。 6)沖縄瀬底島にちかい本部半島先端の備瀬崎において、1998年の白化後も生存している良好なサンゴ群集が確認され、指標とするクシハダミドリイシの個体群組成の調査を行った。 7)天草に於いて、幼生放出型のハナヤサイサンゴを用いて幼生の分散、稚サンゴの加入実験を行った。結果については現在解析中である。
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Research Products
(1 results)