2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11480150
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野島 哲 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (30112288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 敬介 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (50243887)
渡慶次 睦範 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (30291983)
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Keywords | 造礁サンゴ / サンゴ礁 / 群集構造 / 個体群動態 / 加入・定着 / 分散 / 多様性 / 共生生物 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、西表島と石垣島の間にある日本最大のサンゴ礁域である石西礁湖において、サンゴの産卵行動についての調査を行うとともにサンゴ幼生の定着・加入量を測定した。また、沖縄本島の瀬底島周辺においても同様にサンゴ幼生の定着・加入量を測定した。2001年は石西礁湖におけるミドリイシ属のサンゴの一斉産卵は予定通り5月8、9日に観察され、これまで得られたサンゴの産卵カレンダーが有効であることが立証された。8月末には、1998年の世界的なサンゴの白化現象の後、この数年全く見られなっかたサンゴの定着がみられ、白化のダメージから徐々に回復しつつあることが伺えた。 しかしながら、研究中の2001年7月から9月にかけて海水温が30度を越え、1998年ほど大規模ではないものの、石西礁湖や瀬底島周辺で白化現象が見られ、11月に行った調査では石西礁湖では20〜30%のサンゴが死滅した。石西礁湖で行ったサンゴの成長実験の結果、クシハダミドリイシの年間の成長量は直径にして約5cmで、10年前に行った調査の1/3で、年間の死亡率でも高い値を示した。また白化前に行ったダイビング・パムを用いての造礁サンゴの光収率を測定したところ、健全なサンゴの収率よりも低い値を示した。これらのことは、沖縄のサンゴ礁の造礁サンゴはいまだに白化のダメージから完全に回復してはおらず、依然として要観察下にあることがわかった。 一方、非サンゴ礁域である天草でも、造礁サンゴ分布域である牛深、富岡において同様の実験・調査を行った。サンゴの定着量はサンゴ礁域と比べると低いものの、年間成長量は直径にして約6cmと、むしろ石西礁湖における成長量よりも高かった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tioho, H, M.Tokeshi, S.Nojima: "Experimental analysis of recruitment in a scleractinian coral at high latitude"Marine Ecology Progress Series. 213. 79-86 (2001)
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[Publications] Thamrin, S.Nojima, M.Tokeshi: "Experimental analysis of planula release in a scleractinian coral, Alveopora Japonica"Galaxea. 3. 25-30 (2001)
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[Publications] Thamrin, M.Tokeshi, S.Nojima: "Effect of coral-inhabiting barnacle(Canteilius pallidus)on planula production in a scleractinian coral Alveopora japonica"Ophelia. 55(2). 93-100 (2001)
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[Publications] Okamoto, M., S.Nojima, H.Yamaguchi: "Development of short core sampling machine for live coral"Proceeding of OCEANS 2001. 2001. 1020-1024 (2001)