1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11480155
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
渡辺 真利代 立正大学, 地球環境科学部, 助教授 (70301835)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜端 悦治 滋賀県琵琶湖研究所, 主任研究員 (40238077)
浪越 通夫 東京水産大学, 海洋環境学科, 助教授 (30189196)
中島 拓男 滋賀県琵琶湖研究所, 総括研究員 (30237268)
辻村 茂男 滋賀県琵琶湖研究所, 研究員 (60300969)
|
Keywords | アオコ / 水生植物 / アレロパシー / 生理活性物質 |
Research Abstract |
アオコ形成植物プランクトン(有毒アオコ)の成長を抑制する物質を検出する方法を確立した。これは48穴のプレートを利用するもので、生理活性物質の検定に少量の試料を濃度別にダブル、あるいはトリプルで試験するのに好都合である。このアッセイ方法を応用して、抽水植物と沈水植物あわせて14種類の水生植物の抽出物について成長阻害物資の有無を試験した。その結果、主に関東近辺から採取した植物体9種に活性成分が存在することを確認した。また、琵琶湖の隔離水界実験では水生植物の生育がアオコの増殖を抑制していたことより、水生植物がその生育過程で生産し排出するいわゆるアレロパシー物質の利用を考えた。これは自然生態系の機能をそのまま利用するため、もとの生態系を撹乱することなく応用することができる。この機能を検索するため、10種の水生植物を水槽内で生育させ、その培養液をアッセイ系にかけたところ5種の沈水植物でアレロパシー物質が生産されていることを確認した。これらの物質については溶媒に対する溶解特性、シリカゲルなどに対する吸着特性などから複数の物質が関与している可能性が示唆された。また、これらの物質が水草の生育に伴って生産され、溶出した後は比較的早期に消失すること、毒素生産性アオコ形成種の代表であるMicrocystis及びAnabaenaの生育を阻害することなどを明らかにした。
|