1999 Fiscal Year Annual Research Report
共生褐虫藻における生理活性長鎖アミノ酸類の生合成と代謝過程に関する研究
Project/Area Number |
11480162
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 英士 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (90217878)
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Keywords | 共生 / 褐虫藻 / ポリケチド / ゾーザンテラトキシン / ゾーザンテラミン / ゾアンタミン / スナギンチャク / 生合成 |
Research Abstract |
共生褐虫藻は、海洋の腔腸動物に共生し、生態形成に重要な役割を果たしている.近年サンゴの白化現象で注目されているが、古くより生物活性物質の真の生産者としても着目されてきた.末端にアミノ基を有する代謝産物としてゾーザンテラトキシンならびにゾーザンテラミンに着目し、その生合成過程について検討した. まず、ゾーザンテラミンの炭素源を特定するために、グリシン、酢酸、メチオニン、プロピオン酸の各ラベル体の投与実験を行った.その結果、グリシン(2Cx1)、酢酸(2Cx11)の計24個の炭素によって母核が形成されていることが明らかになった.また、側鎖のメチル基6個については、メチオニンあるいはグリシンから3個、酢酸から3個の炭素計6個のオリジンが証明された. 想定されるラベル化した前駆体の合成を試みたが、化合物の安定性等から現在までに成功していない.そのため、MS-MSによる生合成前駆体による微量ラベル化解析法についても次年度に引き継ぐこととなった. ゾーザンテラミンの共生藻株での分布、ならびに宿主生物における分布について検討した.Y-6株の遺伝子の分析を行ってもらい、その位置づけから関連ならびに非関連株を選定した.分離培養株8種を培養し、分離、精製したが、これまでのところY-6株以外に存在が認められていない.奄美大島のスナギンチャクには関連物の存在を確認したが、マメスナギンチャクにはその存在は確認出来なかった.この点についても次年度に引き継いで検討する.
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[Publications] Matsumori,N 他: "Stereochemical determination of acyclic structures based on carbon-proton spin coupling constants. A new method of configuration analysis for natural products."J. Org. Chem. 64. 866-876 (1999)
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[Publications] Nakamura, H. 他: "Absolute configuration of the common terminal acid portion of zooxanthellatoxins from a symbiotic dinoflagellate symbidelinium sp."Tetrahechon Lett.. (印刷中). (2000)