2001 Fiscal Year Annual Research Report
DNA結合性タンパク質HMG1および2の多用的機能とその相互調節の解析研究
Project/Area Number |
11480171
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
吉田 充輝 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (20005648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 憲和 東京理科大学, 基礎工学部, 助手
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Keywords | HMGタンパク質 / クロマチン / タンパク質構造 / DNA-タンパク質相互作用 / 転写調節 / タンパク質修飾 |
Research Abstract |
HMG1/2と相互作用する因子群の機能解析:HeLa細胞内でHMGと相互作用する因子を複数単離し、その数種の因子については一次構造を明らかにした。引き続きその他の因子についても単離同定中である。一方で、HMG1遺伝子ノックアウトマウス由来の繊維芽細胞と正常細胞由来の全タンパク質を抽出、二次元電気泳動で分離してHMG1の発現と関連するタンパク質を同定した。現在、それらの数種について機能解明を進めている。 (2)HMG1/2の細胞質存在の意義と機構の解析:本来核タンパク質と考えられていたHMG1/2が種々の細胞で細胞質にも存在することをモノクローナル抗体を用いた免疫染色で明らかにした。そこで、HMG1/2の細胞内存在がそれらのリン酸化と関連するのではないかとの仮説をたて、リン酸化にともなう挙動、リン酸化部位の滅失にともなう挙動を中心に解析した。その結果、リン酸化以外の修飾が関与することが示唆された。また細胞質における存在様式を解析して、HMG1が細胞骨格と結合して存在する可能性を示唆し、機能を探るための切っ掛けが見い出された。 (3)HMG1/2特異的DNA結合構造の解析:従来HMGタンパク質はDNA塩基配列非特異的に結合することもあり、その結合の程度が比較的弱く、DNA構造変動の機構を考えるうえで問題であった。昨年度の研究で、ある条件下で従来のHMG1/2のDNAへの結合定数に比較して、4乗オーダー高い特定のDNA構造をHMGが誘導することを見いだした。この高い結合定数をもつDNAの立体構造を解析し、高度に折れ曲り、しかもヌクレオソーム中で保持されうる構造であることが分かった。
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[Publications] Nakamura Y., Shimizu M., Yoshida M.: "Distorted DNA structures induced by HMGB2 possess a high affinity for HMGB2"J.Biochem.. 131. 153-160 (2002)
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[Publications] Yoshioka K., Yoshida M., Takatsuji H: "The plant zinc finger protein ZPT2-2 has a unique mode of DNA interaction"J.Biol.Chem.. 276. 35802-35807 (2001)
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[Publications] Nakamura Y., Yoshioka K., Shirakawa H., Yoshida M.: "HMG box A in HMG2 protein functions as a mediator of DNA structural alteration together with box B"J.Biochem.. 129. 643-651 (2001)