2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11480173
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
鈴木 明身 理化学研究所, 生体超分子システム研究グループ・(研究職)グループディレクター (70134533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 京子 理化学研究所, 糖鎖機能研究チーム, 研究員 (30124481)
橋本 康弘 理化学研究所, 糖鎖機能研究チーム, (研究職)チームリーダー (80164797)
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Keywords | CMP-NeuAc水酸化酵素 / 組織特異的発現制御 / 糖鎖生物学 / 糖鎖構造多様性 |
Research Abstract |
N-グリコリルノイラミン酸(NeuGc)の発現はCMP-N-アセチルノラミン酸水酸化酵素により律速制御されている。ヒトの水酸化酵素遺伝子には一つのエクソンにあたる92bpの欠失があり、不活性型のタンパク質を作りだしていることが考えられる。この欠失はチンパンジー、その他のほ乳動物には存在しない。同時に、NeuGc発現陽性のほ乳動物にあっても、神経系のシアル酸はほとんどがN-アセチルノラミン酸(NeuAc)で、NeuGcは極わずかしか検出されない。この現象は脳組織で本酵素のmRNAがノーザンでほとんど検出できないことに基づくと考えられる。同時に、この現象は遺伝子産物がすでに不活性化されているヒトでも保存されている。このことは、神経組織特異的に水酸化酵素の発現抑制がヒトへの進化以前に確立された現象であること、しかも、転写のレベルで起きている可能性があることを示唆している。この可能性を検証し、分子メカニズムを明らかにするために、マウス水酸化酵素遺伝子をクローニングし、13kbのクローンをえた。このクローンは水酸化酵素遺伝子の5'上流6.5kbを含んでおり、この塩基配列を決定した。エクソン1の下流にレポターとしてルシフェラーゼを挿入した発現クローンを作成し、転写制御機序の解析を現在行っている。NeuGc発現細胞として、L929細胞を使用する予定であるが、この細胞はシアル酸の27%がNeuGcであることが確認され、水酸化酵素の転写が行われていると判断できる。この系で、水酸化酵素のポジティブの転写制御機構を解析する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sekine,M.,Taya,C.,Kikkawa,Y.,Yonekawa,H.,Takenka,M.,Matsuoka,Y.,Imai,E.,Izawa,M.,Kannagi,R.,and Suzuki,A: "Regulation of mouse kidney tubular epithelial cell-specific expression of core 2 GlcNAc transferase."Eur.J.Biochem.. 268. 1129-1135 (2001)
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[Publications] Suzuki,M.,and Suzuki,A: "Strcutural characterization of fluorescence-containing oligosaccharides by high-performance liquid chromatoraphy and matrix-assisted laser desoption/ionization time-of-flight mass spectrometry."Biol.Chem.. (in press). (2001)