1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11480180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
笹井 芳樹 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (20283616)
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Keywords | 神経分化 / 発生 / 脳 / 転写因子 / 分化誘導 |
Research Abstract |
哺乳類を含めた脊椎動物の神経系発生の開始スイッチを入れる分子は何か?という問いに答え、複雑な脳の構成原理に迫ることを目的として以下の研究を行った。神経誘導因子Chordinを用いてアフリカツメガエルの外胚葉を神経細胞に試験管内で分化させ、その際に誘導される遺伝子をデファレンシャル・スクリーニングによって多数同定した。そのうち3つの転写因子(Zic-related1,Sox2,SoxD)はこれらはごく初期の神経板全体に発現していた。微量注入法の解析の結果、Zic-related1,SoxDは外胚葉の神経分化を直接的に誘導することが明らかとなった。一方、Sox2は単独では働かず、FGFと協同的に働いて神経分化を誘導し、コンピテンスを変化させる因子と考えられた。Sox2の機能阻害実験をドミナント・ネガティブ体を作成し行ったところ、神経組織マーカーNCAMの発現が強く抑制され、Sox2は神経発生に必須の遺伝子と考えられた。NCAMのほか調べたすべての神経マーカーが神経板形成時には抑制されていた。さらに早期の神経上皮では初期神経マーカーが一過性に発現することから、Sox2は神経分化の第一ステップに必須ではなく、その次の段階で必要とされることが示唆された。Sox2の機能阻害によって神経分化を阻害された外胚葉細胞の運命を解析すると、神経にも表皮にもならず分化が途中で止まっているようになっていた。Sox2の神経分化におけるシグナルカスケードでの働きを検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 松井大 他: "Xenopus Kielin: A novel patterning factor containing multiple Chd-type repeats secreted from the embryonic midline"PNAS. (印刷中). (2000)
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[Publications] 岸 将史 他: "Requirement of Sox2-mediated Signaling for Differentiation of Early Xenopus Neuroectoderm"Development. (印刷中). (2000)
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[Publications] 中谷 仁 他: "Xenopus Xenf: An early endodermal nuclear factor that is regulated in a pathway distinct from Sox17 and Mix-related gene pathways"Mechanisms of Development. (印刷中). (2000)