2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11480189
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
郷 通子 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70037290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 健一 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20322737)
由良 敬 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50252226)
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Keywords | モジュール / イントロン / タンパク質機能 / モジュールシャッフリング / タンパク質相互作用 / 金属イオン結合 / ミニバルナ-ゼ / フィコシアニン |
Research Abstract |
球状タンパク質はコンパクトな部品モジュールに分解できる。モジュールは15残基程度の短いセグメントであり、タンパク質の機能をも担うケースが知られている。立体構造既知のタンパク質のすべてをモジュールに分解し、立体構造と機能からモジュールを分類し、モジュールを部品としたタンパク質の機能と構築の様式をしらべることにより、各種タンパク質の構築原理と機能部品の進化的由来を明らかにすることを目的として研究を進めた。今年度は金属結合、タンパク質間相互作用、DNAやRNAとの相互作用、ATPやGTP結合などの機能部位がモジュールにどのように分担されているのかを主に解析した。Mg,Ca、Znなどの金属イオンの配位子は多くの場合1個または2個のモジュールに局在していることがわかった。金属イオンの結合に関わらず、結果的にわかったことは、タンパク質の各種の機能は局所的であり、ほとんどの機能はモジュールにアサインできることがわかった。しかも、3次構造も機能も全く異なるタンパク質に、立体構造が類似で同様の機能を持つモジュールが存在していたことから、これらはシャッフリングされたモジュールである可能性がある。その一例は、タンパク質相互作用が共通のモジュールによって担われているケースである。共通なモジュールが、光合成における集光装置であるフィコシアニンと、光合成で得られたエネルギーを利用して炭素を固定する代謝経路の酵素、ピルビン酸、正リン酸ジキナーゼに見られた。また、モジュール1個取り除いたミニバルナーゼが、天然タンパク質に特有の2状態転移をしめすことから、モジュールはタンパク質設計の際に、付け加えたり、取り外したりができる部品であること、すなわちシャッフリングが可能なユニットであることを実験的に示すことができた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Kikuchi,H. et al.: "Significance of a two-domain structure in subunits of phycobiliproteins revealed by the normal mode analysis."Biophysical Journal. 79・3. 1587-1600 (2000)
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[Publications] 郷通子: "タンパク質の部分立体構造とゲノム機能推定"生物物理. 40・5. 313-314 (2000)
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[Publications] Yoshihara,S. et al.: "Mutational analysis of genes involved in pilus structure, motility and transformation competency in the unicellular motile cyanobacterium Synechocystis sp.PCC 6803."Plant Cell Physiol.. 42. 63-73 (2001)
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[Publications] Takahashi,K. et al.: "Conformational characterization of designed minibarnase."Biopolymers. 58・3. 260-267 (2001)
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[Publications] Ahsan,M.M. et al.: "Capacity of Thermoonospora alba XylA to impart thermostability in family F/10 chimeric xylanases."Enzyme Microb.Technol.. 28. 8-15 (2001)
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[Publications] 郷通子(分担執筆): "生物の働きを生み出すタンパク質のかたち,「タンパク質はどのように進化してきたか」"クバプロ. 199 (2000)
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[Publications] 郷通子(分担執筆): "プロテオミクスの基礎,「構造から機能を探る」"講談社. 166 (2000)
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[Publications] 由良敬(分担執筆): "タンパク質立体構造に基づくゲノム機能予測,「ゲノム情報生物学-bio-informaticsとinformation biology」"中山書店. 210 (2000)