2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11480189
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
郷 通子 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70037290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由良 敬 日本原子力研究所, 計算科学技術推進センター, 研究員 (50252226)
高橋 健一 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20322737)
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Keywords | モジュール分類 / シャッフリング / イントロン / 膜タンパク質 / ペルオキシダーゼ / 金属イオン / 核酸との相互作用 / 機能微調整 |
Research Abstract |
「タンパク質の機能とモジュールシャッフリング」研究により、以下のことを明らかにすることができた。 1)モジュールの種類数 モジュールのシャッフリングを見いだすために、立体構造既知のタンパク質のすべてをモジュールに分解し、立体構造でモジュールを自動的に分類する方法を開発してきた。モジュールの立体構造による分類において、メンバー数が5個以上のグループが約1,000種類存在することがわかった。モジュール分類数の年次変化を追いかけたところ、1999年付近でほぼ頭打ちになっていることがわかった。1999年以降もタンパク質の新規立体構造は発見されているにも関わらず、種類数が頭打ちになってきていることは、少なくとも水溶性タンパク質に用いられているモジュールの構造は、ほとんど出現しつくしていることを示唆する。このことは、現存するタンパク質が1,000種類程度のモジュールのシャッフリングによって進化してきたことを示唆する。 2)モジュールの機能 あるモジュールのグループに、特定の機能が偏って存在することはほとんどなかった。金属イオンを配位するモジュールは、多くのグループに分散していた。しかし、メンバー数の多いグループには、核酸と相互作用するモジュールが多い傾向にあった。植物ペルオキシダーゼにおける挿入または欠失モジュールの機能を調べたところ、これらのモジュールは活性部位から離れて存在しているにもかかわらず、酵素の基質特異性を調整している可能性があることを見いだした。モジュールの機能として機能微調整があることがわかった。 3)膜タンパク質のモジュール構造 膜タンパク質においても、球状タンパク質と同様にモジュール構造の同定ができることがわかった。膜タンパク質においても、モジュール境界とイントロンの位置とには有意な関係があることがわかった。膜タンパク質も水溶性タンパク質同様、モジュールのシャッフリングがあった可能性が見えてきた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yamaguchi, A. et al.: "Enlarged FAMSBASE : 3D protein structure models of genome sequences for 41 species"Nucleic Acids Research. 31・1. 463-468 (2003)
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[Publications] 由良 敬, 郷 通子: "モジュールに基づく機能予測-3Dキーノート"蛋白質核酸酵素. 47・8. 1090-1096 (2002)
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[Publications] 郷 通子: "遺伝子構造の進化とプロテオーム解析"学術月報. 55・15. 1141-1147 (2002)
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[Publications] 郷 通子(分担執筆): "「生命の起源と進化の物理学」ニューバイオフィジックス(シリーズ2)"共立出版. 231 (2003)