2000 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質中の化学反応はどのように構造変化を引き起こすエネルギーに変換されるか
Project/Area Number |
11480192
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木寺 詔紀 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00186280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北尾 彰朗 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30252422)
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Keywords | 蛋白質 / 非線型振動 / 振動緩和 / モードカップリング / フェルミ共鳴 / ミオグロビンL |
Research Abstract |
蛋白質の非線形な運動を捉える試みとして、弱い摂動としての非線形運動の蛋白質におけるあり方を探る研究を行った。具体的には、非線型性の効果が抑えられている0K近傍でのミオグロビンのシミュレーションを行い、振動エネルギー緩和の様子を解析した。シミュレーションの手順は、0Kで、ある振動モードに初期運動エネルギーを与え、そのエネルギーがどのようなモードに移動していくかを見るというものである。その結果、非線型運動の基礎となるモードカップリングは、単純な低分子系と同じ3次のカップリングに基づいたフェルミ共鳴で記述できることが分かった。これは、運動エネルギーが移動していく先のモードが、(1)周波数の関係ω=ω1+ω2のようなフェルミ共鳴条件を満たす、(2)モードが立体構造上オーバーラップしている(これはそのまま3次のカップリング係数が大きいことと等価である)の2条件によって選択されていることからの知見である。このことは、蛋白質のような巨大な複雑系でも振動モードが独立なものとして振る舞っているという説明と等価である。さらに、4次のカップリングの解析を行い、ω1=ω2+αという共鳴条件によってスペクトルのブロードニングが起こるというところが、3次のカップリングと異なるところであることが、確かめられた。さらに現在、低振動のエネルギー緩和を解析するために、内部座標系による解析を進行させている。
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[Publications] N.Nakajima: "Free energy landscapes of short peptides by enhanced conformational sampling"J.Mol.Biol.2. 296. 197-218 (2000)
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[Publications] K.Moritsugu.: "Vibrational Energy Transfer in a Protein Molecule"Phys.Rev.Lett.. 85. 3970-3973 (2000)
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[Publications] A.R.Kinjo: "Physico-chemical evaluation of protein folds predicted by threading"European Biophysics J.. 29(in press). (2000)
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[Publications] S.-H.Chong: "Dynamical Transition of Myoglobin in a Crystal. Comparative Studies of X-ray Crystallography and Mossbauer Spectroscopy"European Biophysics J.. 30(in press). (2001)