1999 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報を最大限に活用したシアノバクテリアグループ2シグマ因子群の機能解析
Project/Area Number |
11480197
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 寛 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (60222113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 誠 茨城大学, 農学部, 教授 (10007792)
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Keywords | RNA polymerase / group2 sigma factor / cyanobacteria / Synechocystis / transcription / nitrogen regulation |
Research Abstract |
ゲノム配列の決定されているシアノバクテリア、Synechocystis sp.PCC6803株は、シアノバクテリア一般に保存されている機能未知の4種のグループ2シグマ因子(sigA,sigB,sigC,sigD)を持つ。これらの機能を解明するために、本年度はまずプロテオームの結果に基づいた解析を行った。各シグマ因子遺伝子をそれぞれ破壊した株について行ったこれまでのプロテオーム解析により、窒素飢餓条件においてglnB、cbbAなどの遺伝子産物量の変動が観察されていた。これらの遺伝子特異的なプローブを用いたノーザン解析の結果、プロテオームの結果と転写産物量には特に相関が見られず、蛋白質の翻訳量や安定性にシグマ因子欠損が影響を与えている可能性が示唆された。次に、メンブレンフィルターにゲノムの全領域をブロットしたDNAマクロアレイを用い、各シグマ因子欠損株におけるmRNA量の変動を観察した。その結果、グループ2シグマ因子欠損により転写量の現象する遺伝子には、多くのntcA-regulon遺伝子群(窒素同化関連遺伝子群)が含まれることが明らかになった。影響の見られた遺伝子のうち、硝酸トランスポーター、NH^+_4トランスポーター、フィトクロム等についてノーザン解析により検証した結果、マクロアレイの結果を支持する結果が得られた。現在、さらに窒素飢餓処理後の発現に対する影響を検討中である。この他に本年度は、各グループ2シグマ因子群を大腸菌を用いて過剰発現し、精製した後にポリクローナル抗体を調製した。これらを用いたウェスタン解析の結果、少なくともsigD遺伝子産物が通常の培養条件において発現していることが確認された。
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