2000 Fiscal Year Annual Research Report
エンドサイトーシスとエキソサイトーシスにおける小胞輸送の新しい制御因子の機能解析
Project/Area Number |
11480206
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
喜多村 直実 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (80107424)
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Keywords | エンドサイトーシス / エキソサイトーシス / 小胞輸送 / Hrs / Hrs結合蛋白質 / 初期エンドソーム / 肥満細胞 |
Research Abstract |
真核細胞のエンドサイトーシスとエキソサイトーシスにおける小胞輸送を制御する分子と考えられているHrsおよびその結合蛋白質(Hbp)について解析を行い以下の結果を得た。 1.EGF受容体およびPDGF受容体とGFPとの融合蛋白質を作成し、これらの受容体の細胞内動態におけるHrsの関与について解析した。融合蛋白質をPAE細胞に導入し、安定に発現する細胞株を取得した。これらの細胞にHrsおよびHrsの種々の変異体を導入し、受容体とGFP融合蛋白質の細胞内動態をGFPの蛍光発色により観察した。その結果、増殖因子で刺激しない細胞において野生型のHrsを導入した場合、受容体が初期エンドソームに蓄積した。しかしZnの結合能を失ったFYVEフィンガードメインをもつHrsを導入した場合では蓄積は観察されなかった。これらの結果はHrsは内在化した増殖因子受容体の初期エンドソームからの移行の選別に役割を果たしていることを示唆している。 2.HrsとHbpが、肥満細胞における分泌小胞からの物質分泌において機能しているか否かについて解析を行った。Hrsとの結合ドメインであるcoiled coil motifあるいはSH3ドメインを欠損するHbpを、肥満細胞株RBL-2H3に安定に発現し、脱顆粒に対する影響をβ-ヘキソサミニダーゼの遊離を指標にして調べた。その結果、IgE受容体による脱顆粒が欠損変異体発現細胞において顕著に阻害された。しかしカルシウムイオノフォア処理による脱顆粒はあまり阻害が見られなかった。したがってHbpの欠損変異体はIgE受容体による脱顆粒反応に対してドミナントネガティブ分子として作用することが明らかになった。またHbpはHrsおよびSH3ドメイン結合蛋白質と相互作用することによりこの脱顆粒反応において機能することが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Takata: "A Hrs binding protein having a Src homology 3 domain is involved in intracellular degradation of growth factors and their receptors"Genes to Cells. 5. 57-69 (2000)
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[Publications] A.Hayakawa: "Early endosomal localization of Hrs requires a sequence within the proline- and glutamine-rich region, but not the FYVE finger"J.Biol.Chem.. 275. 29636-29642 (2000)
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[Publications] S.Urbe: "Endosomal localisation and receptor dynamics determine tyrosine phosphorylation of hepatocyte growth factor-regulated tyrosine kinase substrate"Mol.Cell.Biol.. 20. 7685-7692 (2000)
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[Publications] M.Kato: "A de-ubiquitinating enzyme UBPY interacts with the SH3 domain of Hrs binding protein via a novel binding motif Px(V/I)(D/N)RxxKP"J.Biol.Chem.. 275. 37481-37487 (2000)
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[Publications] S.Murai: "Involvement of Hrs binding protein in IgE receptor-triggered exocytosis in RBL-2H3 mast cells"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 277. 752-756 (2000)
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[Publications] M.Komada: "Hrs and Hbp : possible regulators of endocytosis and exocytosis"Biochem.Biophys.Res.Commun.. (in press). (2001)