1999 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質分子間認識の細胞内1分子計測法の開発と細胞内情報伝達研究への応用
Project/Area Number |
11480210
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐甲 康志 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20215700)
|
Keywords | 1分子測定 / 情報伝達 / EGF / Ras / Raf / GFP / 励起エネルギー移動 |
Research Abstract |
生きている細胞中で蛋白質1分子を画像として検出し、それらの相互作用を計測する方法を開発し、その方法を、細胞内情報伝達反応における分子間認識の測定に応用することが本研究の目的である。本年度は、以下の2つの1分子計測法を開発した。 (1)Ras,Raf-1の細胞内1分子可視化 Rasと発光クラゲの緑色蛍光蛋白質(GFP)との融合遺伝子を構築し、培養上皮細胞(Hela)をトランスフォーメーションした。 全反射蛍光顕微鏡により、Ras-GFPおよびRaf-GFPを細胞内で1分子可視化することを試み、生きている細胞の細胞膜下でRasおよびRafとGFPの融合蛋白質が拡散運動する様子をリアルタイムで画像化することに成功した。YFP(黄色蛍光蛋白質)との融合蛋白質も同様に1分子可視化することができた。 (2)分子間相互作用の1分子検出法の開発 2種類の蛍光分子Cy3とCy5の組み合わせで起こる、蛍光分子間の励起エネルギー移動を細胞内で1分子検出する方法を開発した。 Cy3-EGF(上皮成長因子)とCy5-EGFを同時に細胞にあたえ、Cy3-EGFの結合した受容体とCy5-EGFの結合した受容体の会合によって起こるCy3からCy5への励起エネルギー移動を、細胞膜上で1分子検出することができた。エネルギー移動効率のゆらぎから、会合体内での分子間距離のゆらぎ、すなわち分子会合体の構造変化を1分子測定できる可能性を示す結果を得た。
|
-
[Publications] Sako,Y.,Minofuchi,S.,and Yanagida,T.: "Single molecule imaging of EGFR signal transduction on the living cell surface"Nature Cell Biology. (印刷中). (2000)