2000 Fiscal Year Annual Research Report
エクトドメインシェディングの分子機構と生理的役割の解明
Project/Area Number |
11480214
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
目加田 英輔 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (20135742)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮戸 健二 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (60324844)
岩本 亮 大阪大学, 微生物病研究所, 講師 (10213323)
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Keywords | LPA / HB-EGF / トランスアクチベーション / G蛋白共役型リセプター / エクトドメインシェヂング |
Research Abstract |
エクトドメインシェディング(以下シェディングと略す)とは、細胞膜蛋白質が細胞表面でプロテアーゼによる切断を受け、その細胞外ドメインが培養液中に放出される現象を言う。この現象の生物学的意義はこれまで全く解らなかったが、最近になってある種の増殖因子などで非常に重要な意味を持つことが明らかになってきた。また、シェディングは、細胞外に存在したプロテアーゼによって偶発的に切断を受けたもの、と受け取られてきたが、実際には細胞内のシグナル伝達系とプロテアーゼ群を介した複雑な機構で調節されていることもわかってきた。申請者は、エクトドメインシェディングの分子機構を明らかにするために、細胞増殖因子HB-EGFを研究材料に膜型から分泌型への転換機構の解析とこれに関わる分子の同定を進めた。その結果、サル腎由来Vero細胞に膜型HB-EGFを過剰発現させた細胞(Vero-H細胞)を用いて、血清中に含まれるLPAがHB-EGFのエクトドメインシェディングを強く誘導すること、LPA刺激はRas-Raf-MEK経路と低分子量G蛋白質Raclが関与する新しい経路で細胞内に伝えられること、を明らかにした。この経路は、LPAに限らずG蛋白共役型リセプターを介してEGFリセプターが活性化される「トランスアクチベーション」で使われている重要な経路であることも判明した。また、この経路は、すでに明らかにしているPKC-δと膜結合型メタロプロテアーゼMDC9が関係する経路とは独立していること、すなわち細胞にはエクトドメインシェディングのために、少なくとも二つの独立した経路が存在することが明かとなった。
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[Publications] Nakamura,K., etc: "Importance of the Major Extrancellular Domain of CD9 and the EGF-like Domain of HB-EGF for Upregulation of Binding and Activity."J.Biol.Chem.. 275. 18284-18290 (2000)
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[Publications] Yu,X., etc: "Integrin-dependent EGF Receptor Activation at cell-cell Contact Sites."J.Cell Sci.. 113. 2139-2147 (2000)
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[Publications] Tsuneoka,M., etc: "Ras/MEK signaling suppresses Myc-dependent apoptosis in cells transformed by c-myc and activated ras."Oncogene. 19. 115-123 (2000)
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[Publications] Miyado,K., etc: "Requirement of CD9 on the egg plasma membrane for fertilization."Science. 287. 321-324 (2000)
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[Publications] Bada,I., etc: "Involvement of deregulated epiregulin exoression in tumorigenesis in vivo through Activated Ki-Ras signaling pathway in human colon cancer cells"Cancer Res.. 60. 6886-6889 (2000)
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[Publications] Saeki,K., etc: "Identification of mammalian Tom22 as a subunit of the preprotein translocase of the Mitochondrial outher membrane."J.Biol.Chem.. 275. 31996-32002 (2000)
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[Publications] Umata,T.,Sharma,K.D.,& Mekada E.: "Springer-Verlay,Berlin"Handbook of Experimental Pharmacology. 22 (2000)