2000 Fiscal Year Annual Research Report
新規な神経栄養因子PCTF35に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
11480226
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内山 安男 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10049091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沢 良之 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30273642)
和栗 聡 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30244908)
渡部 剛 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (80220903)
亀高 諭 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10303950)
井佐原 京子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30303944)
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Keywords | PCTF35 / 栄養因子 / アストログリア / 低酸素虚血障害 / 海馬CA1領域 / 錐体神経細胞 / ラット新生仔 |
Research Abstract |
私達はこれまでに、PCTF35がPC12細胞の生存活性を上昇させ、脊髄後根神経節ニューロンに対して突起伸展作用を有すること、特に、低濃度のNGFと併用すると相乗的に働くことを示してきた。本年度は、この作用が中枢組織においてもみられるかを調べるため、新生仔ラットの片側総頚動脈を結紮後低酸素負荷をかけることによって海馬CA1領域を中心に引き起こされる低酸素虚血障害においてPCTF35の経時的な発現を検討した。本法で誘導される細胞死は、TUNEL染色や形態的に観察すると、低酸素負荷後早期に起こるネクローシスと負荷後3日後位いに起こるアポトーシス様の細胞死からなる。RTPCR法で調べると、低酸素負荷24時間から48時間後に負荷側でPCTF35mRNAが上昇し、免疫組織化学的にも負荷後3日にTUNEL染色陽性の錐体細胞周囲の細胞に陽性像が認められた。共焦点レーザー顕微鏡を用いて二重染色を施し詳細にPCTF35の陽性細胞を検討したところ、GFAPと共存することから、PCTF35はアストログリアに発現することが分かった。そこで、ラット胎仔からアストログリアを採取して、初代培養下のアストログリアでPCTF35の発現を調べたところ、ノーザンブロットでmRNAが発現していること、イムノブロットで培養上清中に同蛋白が分泌されることが明かとなった。現在、初代培養アストログリアを用いて、低酸素負荷によるPCTF35の発現の変化を検討している。さらに、同蛋白の局在を抹消組織でも検討を進め、血管内皮細胞、肺気管支上皮細胞やII型肺胞上皮細胞、精巣の精細管細胞、腸管上皮細胞、副腎髄質細胞に局在することが明かとなった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Ohsawa,S.Kametaka,Y.Yayoi,G.Q.Zhang,Y.Uchiyama: "Expression of PCTF35, PC12 Cells Derived Trophic Factor 35, in Ischemic Brain Injury"Abstracts of the 105th Annual Meeting of the Japanese Association of Anatomists.Vol.75,No.1,P.130,2000. 75・1. 130 (2000)
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[Publications] Y.Ohsawa,S.Kametaka,Y.Yayoi,G.Q.Zhang,Y.Uchiyama: "Physiological roles of PCTF35, a novel trophic factor derived from PC12 cells "Proceedings of XV International Symposium on Morphological Sciences. 199 (2000)
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[Publications] Gotow,T.,Shibata,M.,Kanamori,S.,Tokuno,O.,Ohsawa,Y.,Sato,N.,Isahara,K.,Yayoi,Y.,Watanabe,T.,Leterrier,J.F.,Linden,M.,Kominami,E.and Uchiyama,Y.:: "Sclective localization of Bcl-2 to the inner mitochondrial and smooth cndoplasmic reticul membranes in mammalian cells."Cell Death and Differentiation. 7. 666-674 (2000)
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[Publications] Koikc,M.,Nakanishi,H.,Suftig,P.,Ezaki,J.,Isanura,K.,Ohsawa,Y.,Schuiz-Schaciter,W.,Wntanahe,T.,Wagun,W.,Kametnka,S.,Shibata,M.,Yamamoto,K.,Kominami,E.,Peters,C.,Figura,K.and Uchivama,Y.:: "Cathepsin D deficicncy induces lysosomal storage with ceroid lipofuscin in mouse CNS neurons."J.Neuroscience. 20. 6898-6906 (2000)
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[Publications] Shibata,M.,Kanamori,S.,Ohsawa,Y.,Watanabe,T.,Yavoi,Y.,Miura,M.and Uchivama.Y.: "Prevention of Apoptosis of Mammalian Cells by the CED-3-Cleaved Form of CED-9."Archives of Histology and Cytology. 64. 17-28 (2001)