2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11480228
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
杉本 哲夫 関西医科大学, 医学部, 教授 (90144352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加瀬 政彦 関西医科大学, 医学部, 助手 (10309221)
宝谷 剛志 関西医科大学, 医学部, 講師 (60241163)
大石 仁 関西医科大学, 医学部, 講師 (00252461)
佐久間 覚 関西医科大学, 医学部, 助手 (70309227)
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Keywords | 遺伝子 / マウス / ノシセプチン / 学習・記憶機構 / イオンチャネル / cDNAサブトラクション法 |
Research Abstract |
1.ノシセプチン受容体遺伝子変異マウス(以下変異マウスと略す)に特異的に発現するノシセプチン関連遺伝子の単離 第1に、変異マウスのホモ、ヘテロ各接合体から得た脳トータルRNAをもとにRT-PCRを実施した。ついでPCRセレクト法に従いcDNAサブトラクションとクローニングを行なった。新規遺伝子としては脳に特異的に局在するリン酸化酵素のマウスホモログと考えられる遺伝子を同定した。今後、海馬・大脳皮質等の学習記憶関連脳領域にて、この発現産物がいかに局在するかを特定する作業を必要とする。 第2に、アトラスアレイ法を用いて変異マウスのホモ接合体に特異的に発現増強ないし発現減弱する遺伝子を検出した。現在までに、upregulateされる遺伝子、downregulateされる遺伝子各数個ずつの候補遺伝子を得た。この結果について、該当遺伝子の脳内発現の特徴やホモ接合体固有の遺伝子発現変化か否かといった点を厳密に検証する作業をすすめながら、ノシセプチン関連遺伝子を隈なく明らかにする。 2.変異マウス脳・脊髄のノシセプチンおよび同受容体分布の解析 ベータガラクトシダーゼ反応による発色法とin situハイブリダイゼーション法によって、変異マウスホモ接合体に特異的に検出される標記物質の分布を明らかにした。 3.マウス歯状回顆粒細胞に対するノシセプチンの作用 急性単離した標記細胞においてパッチクランプ法を用いて膜イオンチャネルと電流変化の特性を解析した。その結果、(1)標記細胞には、今まで末梢神経系細胞で報告されていたカルシウムスパークが存在すること、(2)ノシセプチンがカルシウムスパークを増強すること、(3)その機構はリアノジン受容体の増強変化を介していること、(4)ノシセプチンが一過性外向き電流を増加することで細胞の興奮を抑制すること、を強く示唆するデータを得た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Takeshi Houtani: "Distribution of nociceptin/orphanin FQ precursor protein and receptor in brain and spinal cord : a study using in situ hybridization and X-gal histochemistry in the receptor-deficient mice."J.Comp.Neurol.. 424・3. 489-508 (2000)
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[Publications] Tetsuya Shirasaki: "Spontaneous transient outward currents : modulation by nociceptin murine dentate gyrus granule cells."Brain Research. (in press). (2001)