2000 Fiscal Year Annual Research Report
新しい遺伝子操作動物、ノックダウンマウスを利用した疾患モデルの開発
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11480251
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
大西 保行 財団法人実験動物中央研究所, 腫瘍研究室, 室長 (70201382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上山 義人 東海大学, 医学部・病態診断系病理学, 助教授 (30072408)
倉持 隆司 財団法人実験動物中央研究所, 動物資源センター, 研究員 (10225253)
水島 友子 財団法人実験動物中央研究所, 腫瘍研究室, 研究員 (90311240)
鬼島 宏 東海大学, 医学部・病態診断系病理学, 講師 (90204859)
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Keywords | リボザイム / テトラサイクリン / インスリン / 発現誘導 / K-ras / マウス / VEGF / 発現調節 |
Research Abstract |
本研究は、標的遺伝子の発現RNAに対して働く人工リボザイムがテトラサイクリン調節スイッチによって発現するような遺伝子導入動物を作製し、各種の疾患モデルを開発することを目的とする。 In vivoの研究においては、インスリンを標的とした調節制御マウスの作製を目的として、本年度はまず、調節スイッチであるテトラサイクリンOFFシステムにレポーター遺伝子としてルシフェラーゼ遺伝子を組み込んだトランスジェニックマウスを作製し、現在、founder世代において遺伝子導入が確認され、F1およびF2世代を交配、増殖中である。これらのマウスは、遺伝子導入操作、発生、育成中を通じテトラサイクリン暴露下で維持されている。テトラサイクリン暴露を減量または解除し、ルシフェラーゼ活性が濃度依存的に発現されるかの検討を行っている。 いっぽう、in vitroの研究においては、がんの発生および進展に関与する各種の遺伝子を標的とした人工リボザイムを作製し、これらをトランスフェクトした癌細胞において、がんの悪性指標に対する影響の検討を行った。コドン12においてGTT変異を示すK-ras遺伝子に特異的な活性を有するリボザイムを設計・製作し、本遺伝子変異を示すヒト大腸がん由来SW480にトランスフェクトさせた。その結果、リボザイムトランスフェクタント細胞は、培養およびヌードマウス移植において明らかに親細胞より増殖が減弱した。免疫組織化学および電顕観察において、トランスフェクタントではアポトーシスを示す所見が観察された。血管内皮成長因子(VEGF)の189アイソフォームに対する人工リボザイムにおいても同様な実験を行った。本リボザイムのヒト非小細胞肺がんOZ-6細胞へのトランスフェクタント細胞は、ヌードマウスへの造腫瘍性が有意に減弱した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Oshika,Y: "Ribozyme approach to downregulate vascular endothelial growth factor (VEGF) 189 expression in non-small cell lung cancer (NSCLC)"Eur.J.Cancer. 36. 2390-2396 (2000)
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[Publications] Tokunaga,T.: "Ribozyme-mediated inactivation of mutant K-ras oncogene in a colon cancer cell line"Br.J.Cancer. 83. 833-839 (2000)