1999 Fiscal Year Annual Research Report
AGE(ブドウ等誘導体)のナノ秒自己蛍光を指標にした生体組織加齢情報の検出
Project/Area Number |
11480257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒木 勉 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (50136214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 源 熊本大学, 動物資源開発研究センター, 教授 (80174712)
東野 義之 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40075023)
橋本 守 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (70237949)
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Keywords | ナノ秒蛍光 / AGE / 組織自己蛍光 / 加齢 / コラーゲン / 老化架橋 / 時間分解測光 / 蛍光顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究目的はナノ秒時間分解蛍光測光システムを試作して、組織硬化の原因を考察し老化によって生じる組織の変化を光学的に検出する方法を提案することにあり、次の成果を得た。 I.超高感度顕微鏡蛍光画像測定装置およびフェムト秒レーザー励起時間分解顕微鏡蛍光測光システムを製作した。 II.この装置によってヒト歯の象牙質の加齢による蛍光減衰曲線の変化を定量化した。 III.上記変化はコラーゲンと還元糖が反応して生じる蛍光性の架橋体(AGE)によるものと予測し、コラーゲン溶液、コラーゲンプレートとラット尾腱、象牙質をそれぞれ還元糖であるリボース溶液に震盪させて、人為的にAGEを産生させて蛍光を測定した。 IV.その結果、糖と反応させた組織はいずれも蛍光強度が増大し、また蛍光減衰時間が短くなった。これらの変化は、加齢によって生じる組織蛍光の変化とよく一致している。 V.糖との反応時間が短いと、蛍光強度は上昇するものの、蛍光減衰時間は長くなる。これは反応過程で生じる中間生成物によるものと思われるが、この現象は、従来の静的な蛍光測定では観測することができない。 AGEができるとコラーゲンの分子が重合するため、見掛け上の分子量が大きくなるはずである。そこでコラーゲン溶液をリボースと反応させたものをゲル電気泳動によって分析した。しかし元来の分子量が大きすぎてゲル電気泳動にはなじまず失敗に終わった。そこでしょ糖密度匂配を利用した超遠心分離を試みた。その結果、高比重側に蛍光を持つコラーゲンが集まることを確認した。今後は生体試料からコラーゲンを抽出して、同様の実験を行う予定である。
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Research Products
(1 results)