2000 Fiscal Year Annual Research Report
新築病棟の環境変化がもたらす患者及び医療スタッフへの身体的・心理的影響
Project/Area Number |
11490017
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
安藤 詳子 名古屋大学, 医学部, 助教授 (60212669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 元 名古屋大学, 工学部, 教授 (10115595)
山内 一信 名古屋大学, 医学部, 教授 (90126912)
竹内 康浩 名古屋大学, 医学部, 教授 (90022805)
柴田 英治 名古屋大学, 医学部, 助教授 (90206128)
小野 雄一郎 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (80135334)
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Keywords | 環境衛生 / 病院管理 / 建築工学 / 入院患者 / 看護職員 / 健康障害 / ホルムアルデヒド / 揮発性化学物質 |
Research Abstract |
平成12年度は、これまでの調査結果を総合的に集計分析し、新築病棟のホルムアルデヒド及び揮発性化学物質の濃度変化を明らかにし、看護職員の健康状態との関連を検討した。 新・旧病棟が併存した期間に実施した施設・設備面に関する入院患者と看護職員による主観的環境評価と温熱条件・空気清浄度・照度・騒音に関する物理的環境測定の結果を総合的に検討し、多くの点で環境改善の促進を確認した。また、指摘された主な問題である喫煙コーナー・エレベーター・病室の個室等に関する点について、現在、修正可能な問題から対策が講じられている実態を調べた。 病棟移転前後の平成11年5月・7月・平成12年1月に、病棟看護職員を対象に実施した健康調査を分析した結果では、移転前後に著明な相違がないことを確認した。 ホルムアルデヒドの時間経過に伴う検出量の変化について、新病棟の換気システムや使用された建材の成分等、建築工学的な知見を含めて検討した。ホルムアルデヒド濃度は、病棟稼働直前で最高値に達した。この時期に新病棟に出入りした看護職員について、現場の聞き取り調査を行った結果、頭痛や気分不良の訴えが認められ、職員への健康影響の可能性が考えられた。病棟稼働時期において、ホルムアルデヒド濃度は人体に影響しないレベルに低減されていた。 ガスクロマトグラフ質量分析計を用いて、揮発性化学物質を定量した結果、新旧病棟間で大差はなかった。ただし、トリメチルベンゼン類が新病棟で高値を示し、この点は今後の検討課題である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.ANDO,Y.ONO et al.: "Strength and Perceived Exertion in Isometric and Dynamic Lifting with Three Different Hand Locations"Journal of Occupational Health. 42. 315-320 (2000)
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[Publications] S.ANDO,Y.ONO et al.: "Association of self-estimated workloads with musculoskeletal symptoms among hospital nurses"Occupational and Environmental Medicine. 57・3. 211-216 (2000)
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[Publications] 安藤詳子 他: "病院改築による環境改善-ホルムアルデヒド測定値の推移-"第5回日本看護研究学会東海地方会学術集会・抄録集. (印刷中). (2001)
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[Publications] 西川晶子,安藤詳子 他: "看護職員の喫煙行動が健康に及ぼす影響"第20回日本看護科学学会学術集会.講演集. 72 (2000)
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[Publications] 安藤詳子 他: "病院改築による環境改善-温熱条件-"日本看護研究学会雑誌. 23・3. 289 (2000)
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[Publications] 安藤詳子 他: "病院改築による環境改善-空気清浄度-"第4回日本看護研究学会東海地方会学術集会・抄録集. 21 (2000)