2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11490018
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 耕司 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (10026619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
応地 利明 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (60024212)
加藤 剛 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (60127066)
立本 成文 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (50027588)
速水 洋子 京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (60283660)
石川 登 京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (50273503)
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Keywords | フロンティア仮説 / フロンティア社会 / 開拓社会 / 境界 / 資源利用 / 海域世界 / 地域間比較 / 地域研究 |
Research Abstract |
実施計画にしたがって5回の研究会を開催した。東南アジアのフロンティア状況と南アジア、アフリカ、アメリカ合衆国のフロンティア状況を比較しつつ、とくに、人口移動・移民、そして境界と空間、食文化などの様々なフロンティアを対象に、地域と主題をクロスさせることによって、各地域のフロンティア社会とフロンティア状況の実態にせまることができた。今年度に行った研究会の報告等は以下のとおりである。 第1回(6月9,10日、湘南)「フィリピン・サマール島からの向都移動の展開」(細田尚美)、「フロンティアとしてのバンコク」(坪内良博)、「綿花フロンティアと奴隷商人」(柳生智子)、「移民史研究のフロンティア」(加藤洋子) 第2回(8月3,4日、大山)「近代ネパールの成り立ちとフロンティア」「カトマンズ近郊の都市フロンティア」(ケシャブ・ラル・マハラジャン)、「日本近世史とフロンティア社会論」(江藤彰彦) 第3回(10月13日、名古屋)「食文化から試みるフロンティア社会の地域間比較」(大橋厚子)、「アフリカ中央部の移住村における食のフロンティア」(小松かおり)、「ヴェトナム、チャム族の食文化」(吉本康子) 第4回(12月26日、京都)「ヨーロッパにおける環境・エネルギーのフロンティア」(法貴誠)、「アフリカの内的フロンティア論について」(池谷和信) 第5回(1月26日、京都)「東南アジアのフロンティア世界:ボルネオ島西部国境地帯からの視点」(石川登)、「政治学における『空間』概念:アメリカ論を射程に」(豊永郁子) 3カ年の研究発表をとりまとめ、研究課題と同題の研究成果報告書を刊行した。報告書は、1.フロンティア論をめぐって、2.越境・移動とフロンティア、3.資源利用とフロンティア、4.国家・民族・文化とフロンティア、5.開発とフロンティア、の5部構成からなり、総数26編の報告を収録した。
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[Publications] Tanaka, Koji: "Agricultural development in the Broad Depression and the Plain of Reeds in the Mekong Delta : Conserving forests or developing rice culture?"Southeast Asian Studies. 39(1). 137-150 (2001)
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[Publications] Tanaka, Koji: "Kemiri (Aleurites moluccana) and forest resource management in Eastern Indonesia : An Ecohistorical perspective"Asian and African Area Studies. No.2(印刷中). (2002)
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[Publications] 加藤 剛: "スマトラの村の20世紀 -地域の歴史を描く-"アジア・アフリカ地域研究. No.1. 37-53 (2001)
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[Publications] 岡田 泰男: "ニューヨーク州西部農業の変化"三田学会雑誌. 92(2). 19-50 (2001)
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[Publications] Nagatsu, Kazufumi: "Pirates, sea nomads or protectors of Islam? A note on "Bajau" identifications in the Malaysian context"Asian and African Area Studies. No.1. 212-230 (2001)
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[Publications] 江藤 彰彦: "災害と近世社会-「大変」の構造-"歴史地理学. 43(1). 65-78 (2001)
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[Publications] Kato, Tsuyoshi: "Sumatera Barat, Kuantan dan Negeri Semiblan dalam perspektif sejarah"Edi Sedyawati dan Susanto Zuhdi (eds.), Arung Samudera : Persembahan Memperingati Semblan Windu A.A. Lapian. Jakarta : Pusat Penelitian Kemasyarakatan dan Budaya, Lcmbaga Penelitian Universitas Indonesia. 377-390 (2001)
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[Publications] 片山 剛: "清代民間社会和中央及地方政府:以広東省為主(中国語)"葉顕恩・卞恩才主(編)『中国伝統社会経済与現代化:従不同的角度探索中国伝統社会的底蘊及其与現代化的関係』広州:広東人民出版社. 485-495 (2001)
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[Publications] 片山 剛: "広東人社会と客家人:一八世紀の国家と移住民"塚田誠之・瀬川昌久・横山廣子(編)『流動する民族:中国南部の移住とエスニシティ』平凡社. 41-62 (2001)
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[Publications] Hayami, Yoko: "The Decline of Founder's Cults and Changing Configurations of Power : Village, Forest and State among Karen"Tannenbaum, Nicola, and C.A.Kammerer (eds.), Founder's Cults. Yale University Press : Center for Southeast Asian Studies. (印刷中). (2002)
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[Publications] 速水洋子: "越境の時とその語り:北タイカレン女性"田中雅一・松田素二(編)『ミクロ人類学挑戦』世界思想社. (印刷中). (2002)
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[Publications] 大橋厚子: "東インド会社のジャワ島支配-最初の人を最後に"『東南アジア近世国家群の展開』(岩波講座 東南アジア史第4巻)岩波書店. 35-57 (2001)