2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11490027
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
丸山 定巳 熊本大学, 文学部, 教授 (00039968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二塚 信 熊本大学, 医学部, 教授 (80040195)
原田 正純 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (00040519)
富樫 貞夫 志學館大学, 法学部, 教授 (70039957)
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Keywords | 水俣病 / 地域再生 / 公害防止 / 環境破壊 / 胎児生患者 / ADL / QOL |
Research Abstract |
(1)11年度に引き続き、患者・住民を対象とした総合的な面接法による調査を実施した。現在、水俣市では、「もやい直し」が推進されているが、患者・住民それぞれにその解釈・受け止め方には多様な立場がみられ、具体的な対策において大きな困難が存在することが明らかになった。また、1995年の「政治解決」の対象者と正式に認定された患者間には、依然として差違意識が存在し、不満が潜在していることが明らかとなった。 (2)行政資料を精力的に収集・整理し、公害防止事業の経過と問題点について分析を進めた。この事業で残された最大の問題は、埋立地に閉じこめられている高濃度の厖大な水銀ヘドロの処理であるが、この点に関し13年10月に水俣で開催される「世界水銀会議」で報告を予定している。 (3)症状の悪化の客観的指標を開発するため、胎児性患者の家族とくに兄弟たちの影響を調査した。12年度には、鹿児島県出水市で長期間放置されていた胎児性患者を調査し2人が認定されたが、胎児性水俣病患者の問題の深刻さがあらためて明らかになった。 (4)引き続き、津奈木町と隣接する芦北町女島地区の地域調査により、住民の日常生活におけるQOLを評価し水俣病により撹乱された地域社会の再生のためのソーシャルサポートのあり方を究明した。
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