2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11490030
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
宮崎 香 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (70112068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 昌市 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (10275076)
安光 英太郎 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助教授 (10182346)
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Keywords | ラミニン5 / インテグリン / 細胞接着 / 細胞運動 / 細胞移動 / ドメイン構造 / 細胞外マトリックス / 癌 |
Research Abstract |
種々の上皮基底膜に存在するラミニン-5(LN5)はα3、β3、γ2鎖からなるラミニン分子で、他の細胞外マトリックス分子に比べて強い細胞接着活性と細胞運動促進活性を示す。このような活性により、LN5は上皮組織の構築と維持、癌転移などに関与する。これまでに、α3鎖のC末端に存在する5つのGドメインのうち、G2およびG3が細胞膜受容体インテグリンとの相互作用に重要であること、また細胞からの分泌後G3とG4の間でプロテアーゼにより切断されG4-G5断片が遊離することなどを明らかにした。そこで本年度は主として、このα3鎖のプロセシングの意義についてさらに検討した。2種のLN5産生細胞の培養液上清からこのG4-G5断片を精製し、そのN末端配列を決定した。その結果、切断酵素はこれまでに示唆さているプラスミンではなく、メタロプロテアーゼ様と考えられた。精製されたG4-G5断片は強いヘパリン結合性を示し、切断を受けたLN5分子と協調的に細胞運動を促進した。従って、切断型のLN5がインテグリンに結合するのに対して、G4-G5断片は細胞膜上のヘパラン硫酸プロテオグリカンに結合し、細胞運動シグナルを誘導すると考えられた。次に、G3-G4のプロテアーゼ切断部位にアミノ酸変異を与えるα3鎖cDNAを作製し、切断を受けない組換え型LN5の調製を試みた。この非切断型LN5と切断型の天然LN5を精製し、活性を比較分析した結果、両者は同程度の細胞運動促進活性を示すが、両LN5上では細胞の動き方に差が認められた。これらの結果から、G4-G5ドメインがLN5の細胞運動活性の調節に重要な役割を果たすことが示唆された。以上のように、本研究では初めてG4-G5断片とα3鎖非切断型LN5を調製し、その生理活性を明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kishibe,J.Miyazaki,K. et al.: "Structural Requirements of Heparan Sulfate for the Binding to the Tumor-derived Adhesion Factor/Angiomodulin That Induces Cord-like Structures to EVC-304 Human Carcinoma Cells."J.Biol.Chem.. 275. 15321-15329 (2000)
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[Publications] Ebihara,N.Miyazaki,K. et al.: "The functions of exogenous and endogenous laminin-5 on corneal epithelial cells."Exp.Eye Res.. 71. 69-79 (2000)
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[Publications] Hirosaki,T.Miyazaki,K. et al.: "Structural requirement of carboxyl-terminal globular domains of laminin α3 chain for promotion of repid cell adhesion and migration by laminin-5."J.Biol.Chem. 275. 22495-22502 (2000)
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[Publications] Watanabe,K.Miyazaki,K. et al.: "Interaction with heparin and matrix metalloproteinase-2 cleavage expose a cryptic anti-adhesive site fibronectin."Biochemsitry. 39. 7138-7144 (2000)
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[Publications] Tsubota,Y.Miyazaki,K. et al.: "Isolation and activity of proteolytic fragent of laminin-5 α3 chain5."Biochem.Biophys.Res.Commun. 278. 614-620 (2000)
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[Publications] Kagesato,Y.Miyazaki,K. et al.: "Sole expression of laminin g2 chain in invading tumor cells and its association with stromal fibrosis in lung adenocarcinomas."Jpn.J.Cancer Res.. 92. 184-192 (2001)