2000 Fiscal Year Annual Research Report
広島原爆の中性子とガンマ線線量の実験的再評価に関する研究
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11490034
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Research Institution | Hiroshima Kokusai Gakuin University |
Principal Investigator |
葉佐井 博巳 広島国際学院大学, 工学部, 教授 (70034337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 徳思 高エネルギー加速器研究機構, 教授 (80028224)
静間 清 広島大学, 工学部, 教授 (10127657)
星 正治 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (50099090)
遠藤 暁 広島大学, 工学部, 助教授 (90243609)
中西 孝 金沢大学, 理学部, 教授 (00019499)
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Keywords | atomic bomb / neutron / gammaray / dosimetry / hiroshima / neutronactivation |
Research Abstract |
この研究班は広島・長崎の原爆線量評価体系(DS86)と残留放射能測定から推定した中性子線量の間に矛盾があることを指摘し、その事を立証し確認するため研究を進めてきた。 その違いの原因を追及するために、今年度は次のことに重点を置いて研究してきた。 1 遠距離データの信頼性について 広島の近距離におけるEu-152やCo-60のデータは試料の数も多く、又放射能強度も測定可能な量があるため問題にならない。遠距離データは放射能強度も少ないため、バックグランドの問題が浮かび上がってくる。その原因の一つである環境中の中性子については、遠藤らが数カ所の地点にAuを置き環境放射線の影響をしらべその影響はほとんどないことを示した。一方中西らはスペクトルの中に試料中に含まれている天然放射能の影響があることを指摘した。この事を一応考慮に入れても広島の場合、爆心地から1200mまでは影響がないと考えられる。 2 輪送計算に役立てるための測定 中性子のデータは、主として熱中性子による誘導放射能の測定から得られているが、速中性子の直接反応^<63>Cu(n,p)^<63>Niにより生成された銅試料中のNi-63測定が注目されてきた。その基礎となる中性子による反応断面積を柴田らが実験からベータ線の測定限界を求めた。又静間らは逆同時計数による測定装置を試作し、広島の爆心から382mの地点の日本銀行の避雷針からNi-63を検出し、DS86より25%高い値を得ている。今後引き続き測定する。 3 爆発過程からのソーススペクトル 爆発過程を星らがひび割れを仮定し、高度や出力の問題提起を行った。これにより米国側の回答を期待している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Endo,S.: "Study of Burst Height and Neutron Emission Height of the Hiroshima Atomic Bomb"広島大学原爆放射能医学研究所年報. 40. 183-194 (1999)
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[Publications] 星正治: "広島原爆の被曝線量評価の問題点"放射線化学. 69. 2-9 (2000)
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[Publications] 静間清 他: "原爆ドームの残留放射能調査報告書"広島大学工学部 他. (2001)