2001 Fiscal Year Annual Research Report
火山噴火予知のためのウラン・トリウム放射非平衡年代測定法の開発
Project/Area Number |
11554021
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中村 栄三 岡山大学, 固体地球研究センター, 教授 (80201672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森口 拓弥 岡山大学, 固体地球研究センター, 助手 (70304342)
牧嶋 昭夫 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (70219301)
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Keywords | 火山噴火予知 / ウラン / トリウム / 固位体非平衡 / マグマプロセス / TIMS / 三宅島 / アイスランド |
Research Abstract |
(1)U・Th分離法の改良 最終的に試薬と同程度の精度及び繰り返し再現性での分析を可能とし、三宅島におけるマグマプロセスを定量的に議論するに十分なU・Th同位体比測定を行うことに成功した。 (2)三宅島溶岩のU・Th同位体測定とマグマプロセスの解明 2000年度(1)に示した岩石学的・地球化学的記載を終えた試料ののうち、60サンプルに対してU・Th同位体比及びU・Th含有量をTIMSで測定した。その結果以下のことが明らかとなった。 1)海岸付近で採取された試料の中には^<238>U-^<234>U非平衡であるものがあり、これは噴火後の海水による変質の影響であるため、以下のU・Th非平衡の議論から除いた。 2)三宅島溶岩にはUに富む非平衡があり、これは沈み込むスラブから脱水される流体がマントルウェッジに付加することで生じた。 3)脱水直後の流体中のU・Th量及び^<230>Th/^<232>Th比を計算により見積もることで脱水のタイミングを知ることができた。脱水から噴火まで至るプロセスは長くとも5万年程度である。 4)そのような流体やメルトの移動プロセスとしては浸透流よりも割れ目系による瞬間的な物質移動が卓越していると考えられる。 (3)中央海嶺玄武岩マグマ成因を理解するための試料採集 島弧マグマの形成プロセスと異なり、マントルプリュームの活動によって形成されると考えられるアイスランド下における海洋地殻形底マグマプロセスを理解するために、約2週間にわたってアスキア火山とアイスランド東部の200万年から1300万年前に活動した火山岩について約400個の試料採集を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takei, H.: "Formation and supression of Alf3 during HF digestion of rock samples in Tetlon bomb for precise trace element"Proc.Japan Acad Ser B.. 77. 13-17 (2001)
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[Publications] Yokoyama, T.: "Precise analysis of ^<234>u/^<238>u ratio using uo^<2+> with therinal ionization inass spectramet by for natural"chem.Geol.. 181. 1-12 (2001)
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[Publications] Nakano, T.: "Boron isotepe get chemistry of metasedimentary rocks and tourmalines in the sabduction subduction-zone"Phys.Earth Planet.Inter ors. 127. 233-252 (2001)
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[Publications] Kobayashi, K.: "Geochemical Evolution of Akagi Volcano, NE Japan: Implications for Interaction Between Island-arc Magma and Lower Crust, and Generation of Isotopically Various Magmas"J.Petrology. 42. 2303-2331 (2001)
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[Publications] Makishima.A: "Determination fo total sulter at μg g-1 lerels"Anal.Chem.. 73. 2547-2553 (2001)
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[Publications] Makishima.A: "A new group separation method of ruthenium"Anal.Chem.. 73. 5240-5246 (2001)