1999 Fiscal Year Annual Research Report
波長可変近赤外光を励起光源とするピコ秒時間分解フーリエ変換ラマン分光計の開発
Project/Area Number |
11554023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
田隅 三生 埼玉大学, 理学部, 教授 (60011540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 達 日本バイオ・ラッドラボラトリーズ株式会社, 分析機器事業部, 次長(研究職)
坂本 章 埼玉大学, 理学部, 講師 (90262146)
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Keywords | ピコ秒時間分解ラマン分光法 / 波長可変近赤外光 / フーリエ変換ラマン分光計 / 導電性高分子 / 蛍光性分子 |
Research Abstract |
本年度は,種々の蛍光性分子および導電性高分子のピコ秒時間分解共鳴ラマンスペクトルを測定するために,波長可変な近赤外光を励起光源とするピコ秒時間分解ラマン分光計の製作を行った. モード同期・エルビウムドープファイバーレーザーをシード光としたピコ秒チタン・サファイア再生増幅器の基本波出力を用いて,光パラメトリック発生・増幅器を励起し,シグナル光出力(波長範囲:1060-1350nm)及びアイドラー光出力の第二高調波(波長範囲:775-870nm)として波長可変な近赤外パルスを得た.この波長可変な近赤外パルス光を,励起状態の試料からのラマン散乱を測定するためのプローブ光として用いた.プローブ光としてシグナル光出力を用いる場合には,分光計本体にステップ走査型フーリエ変換ラマン分光計(日本バイオ・ラッドラボラトリーズ(株)から借用)を用いた.試料にポンプ光としてピコ秒チタン・サファイア再生増幅器出力の第二または第三高調波(波長:388または258nm)を照射して短寿命過渡種を生成させ,一定の遅廷時間の後,プローブ光によるラマン散乱光をステップ走査型フーリエ変換ラマン分光器に導き,検出器からの干渉信号をロックイン・アンプで検出し,分光器のA/D変換器でサンプリングした後,フーリエ変換して時間分解ラマンスペクトルを得る.また,プローブ光にアイドラー光出力の第二高調波を用いる場合には,プローブ光によるラマン散乱光を分散型分光器によって分光した後,マルチチャンネルCCD検出器を用いて検出する.上で述べた構成により,約2-6ピコ秒の時間分解能を持ち幅広い波長範囲の近赤外光をラマン励起(プローグ)光源とするラマン分光計を製作した.
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