2000 Fiscal Year Annual Research Report
化学修飾カーボンナノチューブを探針として用いる走査型トンネル顕微鏡
Project/Area Number |
11554034
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 貴志 東京理科大学, 理学部, 助手 (50307691)
|
Keywords | 走査型トンネル顕微鏡(STM) / 自己組織化単分子膜(SAM) / カーボンナノチューブ / 表面分析 / ナノ化学センサー / 化学修飾探針 / 水素結 / 化学的相互作用 |
Research Abstract |
本研究では,先端が非常に尖っておりかつ先端の化学修飾が可能なカーボンナノチューブをSTM探針として用いることにより、以前行なったような官能基(並びに化学種)の識別を今回は高分解能かつ高い再現性で可能な手法を開発することが目的である。以前自己組織化単分子膜や導電性ポリマー膜を修飾したSTM探針で行なったような官能基(並びに化学種)の識別を高分解能かつ高い再現性で可能とするために、先端が非常に尖っておりかつ先端の化学修飾が可能なナノチューブをSTM探針として用いることを試みた。以下に示す手順によりナノチューブの金属探針先端への固定が可能となった。ナノチューブ(singleまたはmulti-walled nanotube;SWNT, MWNT)フェルトの硝酸中超音波処理と加熱処理によりナノチューブを比較的小さい小片に切断できることを見出し,これにより少数のナノチューブのみを金属探針先端に固定することが可能になる。先端を非常に尖らせた金属の探針をマイクロマニピュレーターに固定し、その探針先端に伝導性接着剤を付着させた後、光学顕微鏡の観察下、一本一本のナノチューブが配向して並んでいるナノチューブのフェルトに触れさせる。ナノチューブを金属探針先端に固定し、さらに接着剤が固化した後、探針を高分解能透過形電子顕微鏡により評価したところ、確かにナノチューブが金属探針の先端から突きだした形、すなわちナノチューブを探針としたSTM測定が可能となる形で金属探針先端に固定されていることが示された。以上の手順で準備したカーボンナノチューブ探針によりSTM測定が行えている。OHまたはCOOH部位を先端に修飾したMWNT探針を用いてアルカン誘導体のHOPG基板上の吸着単分子膜のSTM観測を行うことで,探針試料間に働く水素結合相互作用によるSTM像におけるコントラストの変化を検討している。
|
Research Products
(1 results)